2009 Fiscal Year Annual Research Report
細菌リポ蛋白質を選別し膜局在化を司るシステムの分子メカニズム
Project/Area Number |
19380046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳田 元 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 教授 (40125943)
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Keywords | ABCトランスポーター / 光架橋反応 / リポ蛋白質 / LolA / LolB / LolCDE |
Research Abstract |
Lol因子間の相互作用部位を光架橋反応により調べた。アンバー変異特異的に光架橋性のp-benzoyl-phenylalanine(pBPA)を導入するために考案された方法により、Lol因子またはリポ蛋白質にpBPAを導入した。LolAとLolBのアンバー変異により、生育はpBPAを要求し、培地にpBPAが無いと欠失変異体が発現し生育は停止した。アンバー変異を導入したLol因子と、架橋反応を調べたいLol因子を共に大量発現し、UV照射により架橋反応を起こさせた。その結果LolBと相互作用するLolAの領域は、疎水性キャビティの入り口であった。またこの領域はLolCと相互作用する領域であった。すなわち、LolAの同じ領域がLolCやLolBと相互作用することが明らかになった。一方、Lol.AとLolE間では架橋産物は生じなかった。さらに、LolBがLolAと相互作用する領域も疎水性キャビティの入り口であった。LolA-LolB間では、"口移し"でリポ蛋白質が受け渡されることを明らかにした。リポ蛋白質と相互作用するLolAとLolBの部位は、いずれも疎水性キャビティの内側にあった。リポ蛋白質の結合がLol因子間の相互作用に与える影響を調べた。LolCDEにリポ蛋白質が結合している場合は、LolA-LolC間の架橋産物量は増加し、一方、LolAにリポ蛋白質が結合している場合は、LolA-LolC間の架橋産物は生成しなかった。この結果は、リポ蛋白質が外膜に一方向的に輸送される反応に好都合である。
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Research Products
(6 results)