2007 Fiscal Year Annual Research Report
温暖化ガス削減をめざしたC1微生物の生存戦略と細胞機能の解明
Project/Area Number |
19380048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (60202082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00283648)
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Keywords | メタン / メタノール / メタン資化性細菌 / メタノール資化性細菌 / メタノール資化性酵母 / コンソーシアム / ホルムアルデヒド / ETBE |
Research Abstract |
1)植物表層におけるC1微生物の生態・生理 植物試料を分離源にメタンおよびメタノール資化性微生物のスクリーニングを行い、多くの分離源からメタン資化性細菌とメタノール資化性細菌を含む微生物コンソーシアムを取得した。メタンモノオキシゲナーゼ遺伝子(pmoA)、メタノールデヒドロゲナーゼ遺伝子(mxaF)、16S rDNA配列の解析を行ったところ、多様なC1微生物が植物表層に棲息していることがわかった。このうちメタン資化性のMethylocystis属性細菌(MC)とメタノール資化性のMethylobacterium属細菌(MB)が共生関係にあり、MBはメタンを炭素源として単独では生育できないものの、コンソーシアム中では生育できること、MCはメタノールによって生育が阻害されるが、コンソーシアム中ではMBがメタノールを消費することでMCが生育できるようになることがわかった。 2)植物において発現されるC1微生物細胞機能の解明と利用 メタノール資化性酵母を用い、メタノール代謝経路遺伝子やペルオキシソーム関連遺伝子の破壊株や、GFP発現株を植物(シロイヌナズナ)葉上に接種して、その生育を観察したところ、葉上でのメタノール資化性酵母の生育にはメタノール代謝経路が重要であること、また植物葉上には微生物が利用可能なC1化合物が存在することが示唆された。一方、メチロトローフ細菌のホルムアルデヒド固定系路酵素HPSとPHIの融合酵素の創製に成功した。今後植物に導入し、ホルムアルデヒド耐性や生育促進効果について検討して行く。 3)揮発性有機化合物(VOC)とガス状アルカンの微生物代謝と環境保全技術への利用 ガソリンへの添加が開始されたt-Ethylbutylether(ETBE)を分解する菌株を取得し、P450モノオキシゲナーゼを初発反応とする分解経路を推定し、当該酵素遺伝子を取得した。今後実際の土壌中でのETBE分解能について検討して行く。
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Research Products
(3 results)