2007 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母細胞内の分沁経路における異常糖タンパク質の認識および分解機構の解明
Project/Area Number |
19380051
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
竹川 薫 Kagawa University, 農学部, 教授 (50197282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 匡 大阪大学, 医学研究科, 特任准教授 (90345265)
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Keywords | 分裂酵母 / 糖タンパク質 / 異常タンパク質 / 品質管理機構 / タンパク分解 / N-結合型糖鎖 |
Research Abstract |
新たに翻訳された新生分泌タンパク質は粗面小胞体(ER)内で立体構造形成及び糖鎖付加の修飾を受け、ゴルジ体へと運ばれる。その際、異常なタンパク質がER内に蓄積するとUPR(unfolded protein response)と呼ばれるストレス応答機構が活性化される。UPRにより発現されたシャペロンが異常タンパク質のリフォールディングを行うが、正しい高次構造を形成できない異常タンパク質はERAD(ER-associated protein degradation)と呼ばれる機構によりERから細胞質へ輸送されて分解される。この経路の中心的な役割を担っているのERストレスセンサーとして機能する出酵母Irelタンパクである。IrelタンパクはERストレスを感知すると二量体化し、自己リン酸化を経てエンドヌクレアーゼが活性化され、HAC1転写因子のmRNAがスプライスされることでUPR標的遺伝子の転写が促進される。一方、分裂酵母ではERADに関与する出芽酵母遺伝子と相同性の高い遺伝子がほとんど存在するが、UPR経路などについては全く明らかにされていない。分裂酵母ゲノムを検索したところ出芽酵母IRE1遺伝子と相同性の高い遺伝子(ppk4+)が存在することが分かった。そこで本遺伝子産物が分裂酵母のERストレスセンサーの機能を持っているか調べた。ppk4遺伝子破壊株はツニカマイシンやDTTなどのERストレスを誘導する試薬に感受性を示した。さらに分裂酵母において異称タンパク質を過剰発現させたところ、ppk4破壊株は野生株よりも強い生育阻害が起こった。また出芽酵母のIrelpの過剰発現は分裂酵母のppk4破壊株のツニカマイシン感受性を相補することがわかった。これらの結果から分裂酵母Ppk4ンパクは分裂酵母においてERのセンサーとして機能している可能性が強く示唆された。
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