2008 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母細胞内の分泌経路における異常糖タンパク質の認識および分解機構の解明
Project/Area Number |
19380051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹川 薫 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (50197282)
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Keywords | 分裂酵母 / 糖タンパク質 / 異常タンパク質 / 品質管理機構 / タンパク分解 / 糖鎖付加 |
Research Abstract |
真核生物において新たに翻訳された新生分泌タンパク質は粗面小胞体(ER)内で立体構造形成及び糖鎖付加の修飾を受け、ゴルジ体へと運ばれる。異常なタンパク質がER内に蓄積するとUPRと呼ばれるストレス応答機構が活性化される。UPRにより発現されたシャペロンが異常タンパク質のリフォールディングを行うが、正しい高次構造を形成できない異常タンパク質はERADと呼ばれる機構によりERから細胞質へ輸送されて分解される。分裂酵母ではERADに関与するタンパク質やUPR経路などについては全く明らかにされていない。そこで分裂酵母ゲノムを検索したところ出芽酵母IRE1遺伝子と相同性の高い遺伝子(ppk4+)が存在することが分かった。そこで本遺伝子産物が分裂酵母のERストレスセンサーの機能を持っているか調べた。ppk4遺伝子破壊株はツニカマイシンやDTTなどのERストレスを誘導する試薬に感受性を示した。さらに分裂酵母において異種タンパク質を過剰発現させたところ、ppK4破壊株は野生株よりも強い生育阻害が起こった。また出芽酵母のIrelpの過剰発現は分裂酵母のppk4破壊株のツニカマイシン感受性を相補することがわかった。これらの結果から分裂酵母Ppk4タンパクは分裂酵母においてERのセンサーとして機能している可能性が強く示唆された。今年度はppk4破壊株の他のERADに関与すると考えられる遺伝子の破壊株を作製して、その諸性質の解析を行った。これまでに出芽酵母のNPL4ホモログ遺伝子破壊株がツニカマイシンに弱い感受性を示し、異種タンパク質の分泌能が高まることから、本遺伝子も分裂酵母のERAD経路に関与している可能性が示唆された。また分裂酵母のERADを詳細に解析を行うために粗面小胞体の糖鎖付加機構とPDI(protein disulfide isomerase)について解析を行った。
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[Journal Article] The ochl mutant of Schizosaccharomyces pombe produces galactosylated core structures of N-linked oligosaccharides.2009
Author(s)
Ohashi, T., Ikeda, Y., Tanaka, N., Nakakita, S., Natsuka, S., Giga-Hama, Y., Takegawa, K.
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Journal Title
Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 72
Pages: 407-414
Peer Reviewed
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