2009 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母細胞内の分泌経路における異常糖タンパク質の認識および分解機構の解明
Project/Area Number |
19380051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹川 薫 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (50197282)
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Keywords | 分裂酵母 / 糖タンパク質 / 異常タンパク質 / 品質管理機構 / タンパク分解 / 糖鎖付加 |
Research Abstract |
真核生物において新たに翻訳された新生分泌タンパク質は粗面小胞体(ER)内で立体構造形成及び糖鎖付加の修飾を受け、ゴルジ体へと運ばれる。異常なタンパク質がER内に蓄積するとUPRと呼ばれるストレス応答機構が活性化される。UPRにより発現されたシャペロンが異常タンパク質のリフォールディングを行うが、正しい高次構造を形成できない異常タンパク質はERADと呼ばれる機構によりERから細胞質へ輸送されて分解される。分裂酵母ではERADに関与するタンパク質やUPR経路などについては全く明らかにされていない。そこで分裂酵母におけるERADの指標となるマーカータンパク質の検索を行った。その結果、出芽酵母のカルボキシペプチダーゼ(CPY)の一部に変異を導入したタンパク質を分裂酵母細胞内で発現させると、ERに蓄積してERAD経路により分解されることを見いだした。この結果は分裂酵母における初めてのERAD経路を証明した結果である。さらに出芽酵母や高等動物で報告されているERADに関与するタンパク質と相同性の高い分裂酵母タンパク質のいくつかは、分裂酵母においてもERAD経路に関与していることを明らかにすることができた。しかしながらERに蓄積した異常糖タンパク質の分解に関与するPng1タンパクは分裂酵母においてERAD経路に重要でないことがわかった。さらに異常糖タンパク質のERにおける蓄積を分裂酵母に存在するprotein disulfide isomerase(PDI)の一種を過剰発現させることで回避できることを明らかにした。以上の結果より、本申請において分裂酵母のERAD経路の存在を初めて明らかにし、本経路に関与するタンパク質は出芽酵母と異なっていることを明らかにすることができた。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Production of heterologous proteins using the fission-yeast(Schizosaccharomyces pombe)expression system.2009
Author(s)
Takegawa, K., Tohda, H., Sasaki, M., Idiris, A., Ohashi, T., Mukaiyama, H., Giga-Hama, Y., Kumagai, H.
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Journal Title
Biotechnol.Appl.Biochem. 53
Pages: 227-235
Peer Reviewed
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