2008 Fiscal Year Annual Research Report
システム発酵学的手法に基づくアセトン・ブタノール発酵の高速高効率化と最適制御化
Project/Area Number |
19380052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園元 謙二 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (10154717)
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Keywords | アセトン・ブタノール発酵 / Clostridium / Whole Cell Catalyst / 連続ブタノール生産 / 酪酸添加 / 人工電子供与体 / 高密度静止菌体 / 高速高効率化 |
Research Abstract |
アセトン・ブタノール(ABE)発酵生産Clostridium saccharoperbutylacetonicumN1-4の静止菌体(Whole Cell Catalyst)を用いて、ABE発酵の効率化を目指し、ABE生産菌の高密度静止菌体を用いた酪酸からのブタノール生産を検討した。TYA培地において本培養15時間後、hollow fiber moduleにより菌体濃縮を開始し、最終的に培養液を4Lから0.4Lへと10倍に濃縮した。菌体濃縮後、酪酸10g/L、グルコース20g/L、さらに人工電子供与体としてメチルビオローゲン(MV)を終濃度0.01mMとなるように添加した、窒素源を含まないTYA培地を供給培地とし、希釈率0.85h^<-1>で連続ブタノール生産を行った。MV無添加の場合、ブタノール生産性およびブタノール収率はそれぞれ、2.94-8.61g/L/h、0.425-0.562mol/molであったが、MVを添加すると、それぞれ4.25-9.78g/L/h、0.573-0.623mol/molとなり、グルコースのみを炭素源とした場合の理論収率0.667mol/molに近い値となった。しかし、ブタノール生産性がその最大生産性の半分となる半減期は約20hとなり、操作安定性の低さが問題となった。そこで、連続ブタノール生産の途中でTYA培地を添加する活性再生システムを考案した。すなわち、TYA-N溶液(4時間)とTYA培地(15分間)を交互に添加したところ、半減期は100h以上維持され、さらに本システムのブタノール生産濃度、生産性および収率はそれぞれ11.5g/1、9.81g/1/h、0.670mol/molと非常に高くなった。以上の結果、高速高効率化と安定性を同時に実現し得る新規なブタノール生産システムの構築に成功した。
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