2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復促進タンパク質のDNA鎖切断部位への結合様式の解明
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19380054
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
鳴海 一成 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (90343920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 良太 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (30391246)
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Keywords | 放射線 / 遺伝子 / 微生物 / タンパク質 / DNA修復 |
Research Abstract |
PprAタンパク質の結晶化プロセスにおいて結晶性の改善を目的としたタンパク質の化学修飾を検討し、表面露出リジンの還元的ジメチル化を行ったところ、これまでに析出していなかった新規結晶化条件を見つける事が出来た。ジメチル化修飾PprAタンパク質結晶の大型化に向けて結晶化条件を検討後、放射光(SPring-8 BL38B1およびKE K PF-AR NW12)を用いたX線回折実験を行った。現在までに、最大分解能5.5Åの反射が再現性良く確認でき、a=b=c=289Å,α=β=γ=90°、空間群P432である事が判明した。また、対象単位中には10〜12分子のジメチル化修飾タンパク質が存在していた。ジメチル化修飾PprAタンパク質の物性を調べたところ、鎖切断のない環状2本鎖DNAへの非特異的な結合が軽減して、鎖切断を持つ2本鎖DNAへの結合特異性が向上していることが分かった。また、ジメチル化修飾PprAタンパク質とT4 DNAリガーゼを用いてDNA連結反応促進活性を測定したところ、未修飾PprAタンパク質よりもDNA連結反応促進活性が高く、且つ未修飾PprAタンパク質で見られるタンパク質高濃度領域でのDNA連結反応の阻害がジメチル化修飾PprAタンパク質では軽減されていることが明らかになった。野生型未修飾PprAタンパク質の電子顕微鏡イメージング法による構造解析を行い、4回対称軸を中心に持つダンベル型の単量体4つからなる4量体の基本立体構造を明らかにした。今後、ジメチル化修飾PprAタンパク質の結晶化条件の最適化を進め、X線回折実験によってPprAタンパク質の原子分解能構造を決定する。また、ジメチル化される表面露出リジン残基を特定し、部位特異的変異導入による置換変異タンパク質の物性を解析する予定である。
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Research Products
(14 results)