2008 Fiscal Year Annual Research Report
巨大化した微生物を用いたイオンチャネルの機能解析系の構築と輸送体の機能同定
Project/Area Number |
19380058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
魚住 信之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (40223515)
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Keywords | パッチクランプ / イオンチャネル / カリウム / 浸透圧 / 膜輸送 / カルシウム / 水チャネル / 大腸菌 |
Research Abstract |
巨大化したK輸送体遺伝子変異酵母の巨大化の調製を試みる際に、酵母の液胞膜内在性イオン電流が観察された。これらは植物のKチャネルと同様のイオン輸送系が観察された。その本体は原核生物や真核生物に存在する陽イオン輸送体であり植物の(イオンチャネル測定系として利用するにあたり、重要な知見であることかちそのイオン特性について検証を行った。Caで活性化されることが明らかとなり、たばこKチャネルと類似の性質をもつことが明らかとなった。液胞膜輸送変異系酵母においてイオン選択性が低く陽イオンの種類に関係なくイオンを輸送するイオンチャネル活性のCaによる影響をパッチクランプ法によって検討したところ、Caの有無によって輸送活性が依存することが観測された。このCaはイオンチャネル電流に影響を与えている可能性と、その作用に加えてCaがイオンチャネルを透過している可能性の2つが考えられる。今後植物の液胞膜に存在するイオン輸送系の機能解析には、本遺伝子変異株を用いた解析がバックグランド電流を抑制する上で有効であることが示された。 シロイヌナズナの孔辺細胞に発現しているKチャネルKAT1の構造と機能を明らかにするために、精製系について検討した。昆虫細胞系を用いて全長の蛋白質を生産させたところ、これまでには得られない量の蛋白質を精製することが可能となった。以前に、ペプチドにおいて昆虫細胞系で精製を行われた報告はしているが、今回のように全長の蛋白質が得られたことは、今後のKATIの機能と構造解析に有効である。
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