2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380060
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 誠 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (10204992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 佳充 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (00314360)
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Keywords | リボヌクレアーゼP / tRNA / RNAプロセシング / リボザイム / 結晶構造 |
Research Abstract |
超好熱古細菌(Pyrococcus horikoshii)RNase Pは、触媒活性を持つRNA(PhopRNA)と5種のタンパク質(PhoPop5,PhoRpp21,PhoRpp29,PhoRpp30,PhoRpp38)から構成されている。本研究では、タンパク質との相互作用によるPhopRNAの構造変化を円二色性(CD)および紫外(UV)吸収スペクトルにより検討した。 まず、PhoRpp38を除く4種のタンパク質をPhopRNAに加えると、PhopRNAのCDスペクトルのピーク(265nm)の楕円率は減少し、UVスペクトルのピーク(260nm)の吸収は増加した。次に、PhoRpp38を含む5種のタンパク質をPhopRNAに加えると、PhopRNAのCDスペクトルのピークの楕円率は増加し、UV吸収スペクトルのピークは減少した。この結果より、4種のタンパク質(PhoPop5,PhoRpp21,PhoRpp29,PhoRpp30)は、PhopRNAの塩基対を解くことによりPhopRNAを活性型構造へと導くRNAシャペロンとして機能していること、5番目のタンパク質(PhoRpp38)はPhopRNAの塩基対を増加させることにより、PhopRNAの耐熱性構造を形成していることが示唆された。 次に、PhoRpp21とPhoRpp29の複合体の結晶構造を分解能2.2Åで決定した。その結果、PhoRpp21とPhoRpp29はヘテロ二量体を形成し、PhoRpp21のN末端側の2本のα-ヘリックス(・1と・2)と、PhoRpp29のN末端領域、中央領域(β2)、C末端付近のα-ヘリックス(・3)との間で相互作用していた。これらの相互作用の重要性を確認するために、相互作用面への変異の導入によるRNase P活性への影響を検討したところ、いずれの変異も触媒活性の低下を示したことから、PhoRpp21とPhoRpp29の複合体形成が触媒活性に重要であることが検証された。また、複合体の表面電荷を計算したところ、複合体形成により特定部位に正電荷を帯びた面が創られ、この面がRNA(pRNA、pre-tRNA)との相互作用部位であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)