2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規殺虫・除草活性物質の創成を指向した生物活性天然物の合成研究
Project/Area Number |
19380065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑原 重文 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (30170145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 洋正 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30234397)
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Keywords | bacilosarcin / thiersinine / PM-94128 / Y-05460M-A / aspergillide / pachastrissamine |
Research Abstract |
種子発芽阻害物質Bacilosarcin A及びB, 殺虫活性物質Thiersinine A及びBの全合成を中心として, 生物活性を有する天然有機化合物の合成研究を展開した。Bacilosarcin A及びBについては, 光学活性エポキシドの開環を基本戦略とし, 、Amadori転位反応によるN-アルキル化等を用いることにより, 収束的で効率的な世界初の全合成を達成するとともに, 関連するイソクマリン-異常アミノ酸混成型天然物であるPM-94128及びY-05460M-A.の全合成も完成した。Thiersinine A及びBについては, アリルアルコール中間体の立体選択的シクロプロパン化を経由することにより, インドールジテルペン部位の隣接する画級炭素の構築法を確立するとともに, Stilleカップリングと2価パラジウムを用いる酸化的インドール環形成反応を経由して, インドール環が連結した重要中間体の調製に成功した。その他, 細胞毒性を有する異常骨格16員環マクロライドであるaspergillide B及びCとpachastrissamineの全合成を完成した。また, 新規骨格を有するモノテルペン構造を有するコナカイガラムシの性フェロモンの光学活性体を世界で初めて合成した。さらに, 小麦根圏に生息するカビが生産する抗菌性フタライドの合成研究により, 本化合物の絶対立体配置を決定するとともに, ニホンスギに含まれる摂食阻害物質であるピサボラン型セスキテルペン類の全合成と立体化学の決定にも成功した。
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