2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブラシノステロイドの生合成・代謝ならびに情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
19380069
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤岡 昭三 The Institute of Physical and Chemical Research, 辻本細胞生化学研究室, 副主任研究員 (60165355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 秀春 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 専任研究員 (40175419)
嶋田 幸久 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能統合化研究チーム, 上級研究員 (30300875)
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Keywords | ブラシノステロイド / 生合成 / 代謝 / シロイヌナズナ / イネ / 転写因子 / シグナル伝達 / 生合成調節 |
Research Abstract |
本研究では、ブラシノステロイド(BR)の生合成・代謝経路の解明や新規BR変異体の解析を通して、BRの生合成・代謝やシグナル伝達機構を生化学的・分子生物学的レベルで解明することを目指している。本年度は、シロイヌナズナ幼植物に重水素標識体を投与し代謝物をGC-MS分析することによって、BR生合成の早い段階で2位の水酸化が起こる新規生合成経路の存在を明らかにすることに成功した。また、3-epi-6-deoxocathasteroneは23位の水酸化により6-deoxotyphasterolへ変換されることも明らかとなり、従来考えられてきた生合成経路よりも複雑なネットワークを形成していることを実証した。また、イネのCYP85Aの機能解析を行った結果、イネでは6-deoxocastasterone(6-deoxoCS)からcastasterone(CS)への6位酸化酵素として機能しているだけで、シロイヌナズナやトマトで明らかにされている6-deoxoCSからCSへの酸化およびCSからbrassinolide(BL)への酸化のうち、CSからBLへの反応は触媒しないことを明らかにした。これらの結果は、イネでは内生BLが検出されておらず、イネの活性型BRはCSであることを示唆している。さらに、シロイヌナズナのアクティベーションタギングのラインからBR過剰発現の表現型を示すces変異体を単離し、その原因遺伝子CESはbHLH型の転写因子であることを明らかにした。CESはBR生合成酵素遺伝子の発現制御に重要な役割を担っていることを見出した。
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