2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブラシノステロイドの生合成・代謝ならびに情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
19380069
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤岡 昭三 The Institute of Physical and Chemical Research, 辻本細胞生化学研究室, 副主任研究員 (60165355)
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Keywords | ブラシノステロイド / 生合成 / 代謝 / シロイヌナズナ / イネ / 転写因子 / シグナル伝達 / 生合成調節 |
Research Abstract |
ブラシノステロイド(BR)の生合成・代謝やその調節機構、BRの受容やシグナル伝達機構の解明を目指して研究を進めている。昨年度、シロイヌナズナにおいて、BR生合成の早い段階で2位の水酸化が起こる新規生合成経路の存在を明らかにした。本年度、この経路が他の植物種においても機能しているか否か精査した。ニチニチソウ、マングビーンをはじめ検討したすべての植物種においてこの経路の存在が明らかとなり、植物界で普遍的に機能している重要な経路であることが示された。BRの不活性化に関しては、これまでにBRの23位のグルコシル化を触媒するUGT73C5を見出しているが、BRのグルコシル化を触媒すると考えられる新たなUGTを見出した。このUGTを過剰発現させるとUGT73C5の過剰発現体と同様にBR欠損の表現型を示す。現在、過剰発現体やノックアウトの解析を通して、このUGTの役割解明を進めている。また、BRの生合成調節に関わる因子を検討したところ、オーキシン処理はBR生合成の律速酵素遺伝子であるDWF4の顕著な発現上昇や内生BRレベルの増加を引き起こすことを見出した。これらの分子機構についても重要な知見が得られつつある。さらに、イネ3量体Gグンパク質αサブユニット(RGA1)欠損変異体d1は矮性、直立葉などBR関連変異体に共通の表現型を示すとともに、BR応答が弱化している。d1の解析により、RGA1は複数のBR形質の付与に関与するが、BRI1を介さない経路で機能する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)