2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブラシノステロイドの生合成・代謝ならびに情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
19380069
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤岡 昭三 The Institute of Physical and Chemical Research, 辻本細胞生化学研究室, 副主任研究員 (60165355)
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Keywords | ブラシノステロイド / 生合成 / 代謝 / シロイヌナズナ / イネ / 転写因子 / シグナル伝達 / 生合成調節 |
Research Abstract |
これまでに、2位の水酸化がブラシノステロイド(BR)生合成の早い段階で起こる新規生合成経路を明らかにした。本年度、この経路上の生合成中間体の生物活性の評価、生長に伴う内生量の変動、既知の経路との代謝の流れの比較等を行った結果、新規生合成経路は既知の経路に匹敵する重要な役割を担っている可能性が示唆された。また、国内外のグループとの共同研究でBR関連変異体の解析を通して、BRのシグナル伝達に関わる制御因子の解明を進めた。GSK3/shaggy-like kinaseであるBIN2はBRのシグナル伝達における負の制御因子として知られているが、シロイヌナズナにはBIN2のホモログが多数存在する。BIN2とは別のサブグループに属するASKθの過剰発現体は、bri1様の矮性形質を示すとともにbri1と同様に活性型BRを異常に蓄積していることを見出した。また、ASKθはBRのシグナル伝達において負の制御因子として機能し、転写因子であるBEH2、BES1等をターゲットとする新規因子であることを明らかにした。さらに、BRのシグナル伝達に関与する転写因子としてBES1やBZR1等が知られているが、ほかにも多数の転写因子の介在が示唆されている。イネのラミナジョイント屈曲が著しい変異体やシロイヌナズナのactivation-tagged bri1 suppressorの解析の結果、それらの原因遺伝子のコードするタンパク質はbHLHモチーフを有しているが、DNA結合に必要な塩基性領域を欠く、非DNA結合タンパク質ファミリーに属する転写因子であることがわかった。これらの変異体ではBRのシグナルは増大しているが、内生BRレベルは野生型とほぼ同等であった。
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Research Products
(8 results)