2010 Fiscal Year Annual Research Report
ブラシノステロイドの生合成・代謝ならびに情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
19380069
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤岡 昭三 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 副主任研究員 (60165355)
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Keywords | ブラシノステロイド / 生合成 / 代謝 / シロイヌナズナ / イネ / 転写因子 / シグナル伝達 / 生合成調節 |
Research Abstract |
これまでの研究で、BRの不活性化代謝やBR生合成のフィードバック阻害については重要な知見が得られているが、BR生合成を正に制御する因子に関しては、ほとんどわかっていなかった。本年度は、国内外のグループとの共同研究を広く展開し、BR関連変異体の中で生合成調節との関わりが強く示唆された変異体について重点的に解析を進めた。tcp1-1D変異体は、シロイヌナズナのBR受容体をコードするBRI1遺伝子のミスセンス変異によって生じた弱い変異体bri1-5のアクティベーションタギングラインの中からbri1-5 suppressorとして得られた。この変異体の解析の結果、bHLH型転写因子であるTCP1はBR生合成の鍵酵素をコードするDWF4遺伝子の発現を正に制御する因子として機能していることを明らかにした。また、シロイヌナズナのアクティベーションタギングのラインから得られたcesta-D変異体(BRI1やDWF4の過剰発現体に似た表現型を示す)の解析から、CESTAもbHLH型の転写因子であり、既に報告されている転写因子であるBEE1と相互作用することによってBR生合成遺伝子の発現を正に制御していることを見出した。さらに、イネのRAVL1はB3 DNA結合ドメインを持つ転写因子であり、BR受容体や幾つかのBR生合成遺伝子の発現を活性化することによってBRの恒常性維持に深く関わっていることが示唆された。以上のように、これまでほとんどわかっていなかったBR生合成を正に制御する重要な因子を幾つか明らかにした。
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Research Products
(11 results)