2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380072
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 一三 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20166474)
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Keywords | 栄養学 / 生活習慣病 / 糖尿病 / ファイトケミカル / 食品 / シグナル伝達 / 農林水産物 / 培養細胞 |
Research Abstract |
糖尿病の主徴は慢性高血糖であり、糖毒性の根源となっている。したがって、高血糖を防ぐことが糖尿病予防ひいては合併症防止の最善策と考えられる。本研究では、インスリン分泌促進食品因子、糖(グルコース)取り込み促進食品因子の探索系を、ラット膵臓β細胞由来のRIN-5F細胞とラット骨格筋由来のL6筋細胞を用いて構築した。これらの系でスクリーニングされた食品因子について2型糖尿病モデルマウスで血糖上昇抑制作用の有無を検討し、有効性の認められた食品因子については細胞培養系で作用機構をさらに詳しく検討するという戦略で研究を行ってきた。今年度も引き続き細胞培養系でスクリーニングを行い、いくつかの新たな候補因子を見いだした。昨年度に見いだされたダイゼインおよびレスベラトロールについて2型糖尿病マウス検討したところ、いずれも血糖上昇抑制効果を示した。また、ダイゼインの代謝物であるエクオールも血糖上昇抑制効果を示した。ピセアタンノールについても同様の作用が認められたが、再検討の必要性が認められた。これらのうち、ぶどうやワインに含まれるレスベラトロールについてさらに詳しく検討した。すなわち、グルコースを筋細胞内へ運び入れる輸送体GLUT4の細胞膜移行を検討したところ、レスベラトロールを作用させて数分後にはGLUT4が細胞質から細胞膜へ移行することが判明した。また、レスベラトロールは膵臓β細胞内の活性酸素種を捕捉し、膵臓β細胞を酸化ストレスから守りインスリン分泌能を高めることが示唆された。現在、他の有効食品因子によるGLUT4の細胞膜移行性を検討しているほか、新たな有効食品因子の探索も行っているところである。
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Research Products
(6 results)