2008 Fiscal Year Annual Research Report
森林形成過程における樹木と土壌微生物の相互作用解析
Project/Area Number |
19380083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奈良 一秀 The University of Tokyo, アジア生物資源環境研究センター, 助教 (60270899)
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Keywords | 菌根菌 / 根圏バクテリア / 一次遷移 / 火山荒原 / 多様性 / 土壌微生物 / 群集構造 |
Research Abstract |
火山荒原における森林形成初期段階においては、先駆樹木や後続樹種の定着に菌根菌が不可欠なことが明らかにされたが、その機構はまだ十分明らかにされていない。本研究課題では、菌根菌を中心とした土壌微生物の生理的・生態的多様性が樹木との相互作用にどのように影響するのかを明らかにすることを目的とする。本年度は以下の項目について研究を実施した。 1.菌根菌の機能的多様性と植物への影響 菌根菌の培養実験を行い、重金属存在化での成長反応を調べた。比較的低濃度の重金属でも成長が阻害される菌種から、高濃度まで耐性を示すハマニセショウロやコツブタケなど、菌種によって大きな違いが見られた。 2.菌根菌の繁殖様式の多様性について 現地土壌中の胞子による感染実験を行った。裸地やミヤマヤナギの無いパッチから採集した土壌中には感染源が少ないものの、ミヤマヤナギの近くから採集した土壌中には胞子の存在が認められた。現在、菌種の同定作業を進めている。 3.菌根圏バクテリアの多様性について 富士山火山荒原のミヤマヤナギ菌根に生息するバクテリアの種組成を調べた。宿主の植物の葉緑体DNAが増幅しないバクテリア特異的プライマーを設計し、増幅産物のシーケンスを行ったところ、αおよびβプロテオバクテリアが優占していることが分かった。こうした非培養法によって得られたバクテリア組成は培養法によって得られていた知見と大旨一致する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
奈良一秀
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Journal Title
Community development patterns and ecological functions of ectomycorrhizal fungi : implication from primary succession.In Mycorrhiza(3rd edition)(Ajit Varma ed.)(Springer-Verlag, Germany)
Pages: 581-599
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[Journal Article]2008
Author(s)
He, X.H., Critchley, C., Nara, K., Southworth, D., Bledsoe, C.S.
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Journal Title
Quantification of nitrogen transfer between plants linked by mycorrhizal networks.In : Symbiotic Fungi : Principles and Practice(2nd edition), (Ajit Varma and Amit Kharkwal, eds.)(Springer-Verlag, Germany)
Pages: 182-197
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[Journal Article]2008
Author(s)
奈良一秀
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Journal Title
菌根菌による植生遷移促進機構.In:植生遷移の自然史.重定・露崎編(北海道大学出版会)
Pages: 95-111
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