2008 Fiscal Year Annual Research Report
食用きのこ類を定着させた菌根苗の効率的な生産技術の開発
Project/Area Number |
19380085
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 明義 Shinshu University, 農学部, 准教授 (10324237)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 正樹 信州大学, 農学部, 教授 (40208963)
橋本 靖 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (40332481)
|
Keywords | 食用きのこ / 菌根菌 / 菌根苗 / 山林 / 栽培 |
Research Abstract |
(1) 平成19年度末にガラス温室順化を開始したショウロ,アミタケ,クマシメジを定着させた菌根苗を一年間養苗した.夏期より,ウォーターバスを用いた温度制御装置を制作し,土壌温度を制御した結果,冬季の土壌温度を約10℃上昇させることに成功した.この結果,上記3菌株の定着した菌根苗およそ300本を養苗でき,特にショウロとアミタケでは,旺盛な菌根の増殖を確認でき,制作した温度制御装置が効果的であった. (2) 19年度に菌根合成法を確立したツチグリについて,より簡便な菌根形成技術を確立する事を目的に胞子接種法について検討した結果,菌根合成法と同様に有効な事を明らかにした.このため,両菌根形成技術をもとにアカマツを用いておよそ50本の菌根苗を作成し,順化を開始した.さらにツチグリの効率的な菌根苗作成技術についての検討を行うため,種々の樹木実生(マツ科,ブナ科))との菌根生成能について実験を開始した.マツタケについては,既知の菌根合成技術(茨城県方式)の改良を目的に,19年度に確立した菌株を用いて小型ポットの系により因子分析を行う実験を行った.その結果,土壌水分含量によってマツ実生のTR比が大きく異なる事,マツ実生の植え付けに対する菌糸体の事前接種は必ずしも重要とは言えない事(実験時間の短縮が図られること),菌株と土壌組成の組み合わせに菌根量が大きく異なる事などを明らかにし,既知の菌根合成技術の改良が可能な事を明らかにした. (3) 優秀な食用きのこ類の菌株収集を行った結果,タマゴタケとホンシメジの菌株を確立でき,菌根合成法に可能性について検討を開始した.
|