2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミズナラのフェノロジーに関与する遺伝子の適応的変異の探索
Project/Area Number |
19380089
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
原田 光 Ehime University, 農学部, 教授 (40150396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 孝良 北海道大学, 連合農学研究院, 教授 (10270919)
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Keywords | ミズナラ / フェノロジー / フィトクローム / trnQ-trnS spacer / 系統地理 / 環境適応 / 産地試験 / 沿海州 |
Research Abstract |
1. 各地で収集したミズナラが愛媛大学で育苗された。この1年生の稚樹を北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・札幌研究林苗畑3ヶ所に植え付け、その成長を観察した。成長量には明確な地域間差は見られなかった。しかし、シュートの2次伸長を示す個体は、四国産に見られた。 2. フィトクローム遺伝子のクローニングに関して、ミズナラにはPHYA,PHYB/D,PHYEの3つの遺伝子が存在することを明らかにした。これの全塩基配列の決定と地域的な変異の解析を現在行っている。 3. 北方集団の起源を調べるためにハルビンおよびロシア沿海州のサンプルについて葉緑体非コード領域の塩基配列を調べた。この結果、これらの地域ではTypeIが優占し、北方の集団がユーラシア北部からサハリンを経由して日本列島に移住したことがより確からしいものになった。また管野ら(2004)によって報告された葉緑体trnQ-trnS spacer領域の置換(C-type)が岡浦ら(2002)の北方ハプロタイプIIのみに見られることを確認した。このことはC-typeが日本国内で生じた突然変異であることを強く示唆し、今後の系統地理学的研究の有用なマーカーになると考えられた。
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Research Products
(6 results)