2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380093
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
津村 義彦 Forestry and Forest Products Research Institute, 森林遺伝研究領域, 室長 (20353774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒丸 亮 独立行政法人森林総合研究所, 北海道林業試験場・道北支場, 場長 (00414251)
戸丸 信弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50241774)
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Keywords | カラマツ雑種 / DNA識別 / オルガネラDNA / 北海道 / 精英樹 / 起原推定 |
Research Abstract |
DNAマーカーで評価した従来型雑種採種園における平均雑種率は,2004年は15.9(±13.4)%,2005年は30.0(±25.5)%であった。一方,単一クローン母樹雑種採種園におけるグイマツの平均雑種率は,2004年は84.2(±9.4)%,2005年は94.1(±3.9)%であった。単一クローン母樹雑種採種園の平均雑種率は,両年ともに,従来型雑種採種園より有意に高く(両年ともにP<0.001,ANOVA)。本研究における単一クローン母樹雑種採種園の高い雑種率は,カラマツのグイマツに対する樹高やラメット数の違いの影響も考えられるが,いずれにしても,単一クローン母樹雑種採種園の従来型雑種採種園からの著しい改良効果が実証された。両採種園において,2005年の雑種率は2004年よりも高かった。これは,2005年のカラマツのグイマツに対する相対的な花粉量が2004年より多かったことが原因と考えられる。この結果は,両種の相対的な花粉量が各年次の雑種率に影響を及ぼすことを示唆する。従来型雑種採種園における母樹間の雑種率の変異は,単一クローン母樹雑種採種園よりも高かった。この結果は,単一クローン母樹雑種採種園における採種母樹が2クローン(中標津3と中標津5)に限られていることに起因すると考えられる。また,従来型雑種採種園における各グイマツクローンの雑種率の順位には,年間で正の相関があった(Spearman ρ=0.77,P<0.05)。このことから,雑種率は,クローンがもつ比較的安定した特性と考えられる。
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Research Products
(3 results)