2009 Fiscal Year Annual Research Report
台風攪乱を受けた落葉広葉樹林の攪乱前後のタワーフラックスの変化とCO_2収支の解明
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19380095
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| Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
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Principal Investigator |
宇都木 玄 Forestry and Forest Products Research Institute, 北海道支所, チーム長 (40353601)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野井 克己 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, グループ長 (20353906)
北村 兼三 独立行政法人森林総合研究所, 気象環境研究領域, 主任研究員 (90353664)
阪田 匡司 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (50353701)
渡辺 力 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60353918)
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| Keywords | 台風撹乱 / 炭素収支 / 落葉広葉樹林 / タワーフラックス観測 / プロセス / NPP / NEP / GPP |
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| Research Abstract |
本研究では、台風撹乱を受けた落葉広葉樹林の撹乱前後で、森林生態系炭素収支がどのように変化するかを、タワーフラックス観測、要素フラックス測定とプロセスモデル及び生態学的純生産量(NPP)推定手法を駆使して明らかにすることを目的とする。本年度はタワーフラックスを引き続き観測し、粗大有機物の分解による炭素放出量を明らかにする。2008年の森林生態系炭素収支(NEE)は、引き続き森林生態系からの炭素の放出(-2.49MgCha^<-1>y^<-1>)と観測された。強度被害地から軽微被害地まで、台風撹乱に起因した粗大有機物量を調べた結果(ラインセンサス)、5年間の分解率は18.95%±2.5%であった。分解定数(k)は0.0445±0.007であり、これまでの報告と矛盾しなかった。昨年度実施したLIDARによる撹乱強度に関する情報から、本研究林の倒木分解量及び幹・枝の呼吸量の推定を試みた。LIDARによる撹乱強度とラインセンサスによる台風後の粗大有機物量の間には強い比例関係が認められた。観測タワーを中心とし、片側100m(P100)、200m(P200)、300m(P300)の方形区を仮定し、その中の平均撹乱強度から被害木量を計算した。被害率に風倒以前の幹・枝呼吸速度(2.24MgCha^<-1>y^<-1>)を乗じた値を、撹乱による呼吸量減少分とした。また被害木量に年間の分解率を乗じた値を風倒被害木から発生した分解呼吸量とした。この計算からP100では風倒以前の幹・枝呼吸による炭素放出量に対して風倒後は16.3%増加し、同様にP200,P300ではそれぞれ13.3%,9.6%増加すると計算された。従って台風撹乱後のNEEの変化は、風倒被害木の分解呼吸量の増加によってもたらされる可能性が高いと考えられた。
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