2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380107
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 伸次 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40231930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東藤 孝 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (60303111)
井尻 成保 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (90425421)
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Keywords | ニホンウナギ / チョウザメ / 初期卵成長 / アンドロゲン / 成長ホルモン / 脳下垂体 / 成熟促進 / 17α-メチルテストステロン |
Research Abstract |
これまで、アンドロゲン処理された未成熟雌ニホンウナギにおいて、前卵黄形成期の卵母細胞の成長が促進されることが明らかになっている。そこで本研究では、未熟なウナギにアンドロゲンである17α-メチルテストステロン(MT)を経口投与することにより、初期卵成長を促進し、投与終了後の卵成長を追跡した。その結果、投与終了時にはMT処理群の卵径は対照群に比べて有意に高値を示したが、その後は対照群の卵母細胞は成長を続けたのに対し、MT処理群の卵母細胞は急速に退行した。従って、MT投与による初期卵成長促進効果は常にMTが存在している必要があり、投与終了後にその効果は失われることが明らかになった。 次に、チョウザメの初期卵成長の分子機構解析を目的として、アムールチョウザメ脳下垂体の成長ホルモン(GH)cDNAクローニングを行なった。その結果、得られたGH cDNAは全長1123bpであり、214アミノ酸残基をコードする642bpの翻訳領域を含んでいた。塩基配列から推定されるアミノ酸塩基配列を他魚種のGHと比較した結果、ロシアチョウザメと97%、ニホンウナギと65%、コイと44%の相同性を示し、分子系統樹においても魚類GHと同一のクラスターを形成した。得られた配列をもとに、大腸菌発現系により組換えタンパク質を作製後、家兎に免疫してチョウザメGH特異抗体を作製した。本抗体は、アムールチョウザメだけではなく、ベステルチョウザメのGH産生細胞も特異的に検出できることが明らかになった。
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