2008 Fiscal Year Annual Research Report
有害・有毒鞭毛藻の個体群における遺伝的分化と遺伝子流動に影響を及ぼす要因の解明
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19380116
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
長井 敏 Fisheries Research Agency, 瀬戸内海区水産研究所赤潮環境部, 主任研究員 (80371962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 峰生 独立行政法人水産総合研究センター, 瀬戸内海区水産研究所赤潮環境部, 室長 (00371956)
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Keywords | 遺伝子流動 / 個体群構造 / 集団分化 / 集団遺伝学 / 多型分子マーカー / Alexandrium tamarense / Alexandrium catenella |
Research Abstract |
本年度は、2種のAlexandrium属、A.tamarenseおよびA.catenellaのサンプリング・集団遺伝学的解析のみを実施した。呉湾におけるA.tamarenseの鉛直プロファイルは、表層から12cmまでは、1,000-1400cysts/cm^3の密度の範囲にあり、12-14cmに極大層6,840cysts/cm^3が見られ、その後、急減し、約40cm付近で検出できなくなった。北海道噴火湾におけるシストの鉛直プロファイルは、6-8cmと12-14cmの明瞭な2個のピークが観察されたが、密度は全体的に低く50-500cysts/cm^3の密度の範囲にあり、表層から32cmまでの層から約400のクローン培養株を作成した。また、広島湾、大阪湾、三重県英虞湾、仙台湾、北海道(噴火湾、苫小牧、浦賀)、ロシアのアニヤ湾の海水及び海底泥サンプルから単離したクローン培養株(合計363株)について、8個のMSマーカーを用いて分析を行い、以前、解析を実施した485株のデータと合わせて解析した(合計848株)。A.tamarenseの集団は、1)北海道、2)仙台・大船渡・広島県太田川河口・広島県廿日市市大野浦・呉湾、3)韓国・三河湾・三重県・神戸の集団におおまかに区分できた。仙台-広島間では、日常的にカキ種苗の移植が行われてきた経緯があり、A.tamarenseの人為的輸送を指示する結果となった。4)A.catenellaについては、日本沿岸6地点、台湾沿岸3地点の海水および海底泥から単離したクローン培養株(合計443株)について、4個のMSマーカーを用いて、集団遺伝学的解析を行った。日本および台湾の集団は、日本(八代海を除く)と台湾の大きく2個の集団に分かれることが判明した。日本海の集団は、他の集団と遺伝的に異質な集団であることが示唆された。
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