2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本版米燃料化政策と地域実証事業の統合的研究-水田を油田にする制度構築に向けて-
Project/Area Number |
19380129
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢部 光保 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (20356299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
両角 和夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30312622)
石井 圭一 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (20356322)
田中 宗浩 佐賀大学, 農学部, 准教授 (50295028)
前田 幸嗣 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (20274524)
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Keywords | 環境支払い / バイオ燃料 / 選択実験 / 多収量米 / 過剰農産物 / ガソリン税 / 原油価格 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
本研究では、世界の主要なバイオエタノール政策の調査と我が国における米からのバイオエタノール生産・普及の可能性の検討を主要な研究課題とする。 まず、米国ミネソタ州では、新世代農協という組織をつくり、農民自身がプラントを建設してトウモロコシからバイオエタノールを生産している事例を調査した。このようなことが可能になった要因としては、政府の自動車排ガス規制、エネルギー自給戦略、地域振興に関する補助金等による政策的支援はもとより、農民自身による強い意志と経営管理能力が重要であることが明らかになった。 中国調査では、河南省にある天冠グループのバイオエタノール工場を対象にした。小麦を中心にした原材料から年間約30万tのバイオエタノールを独自の無水化技術によって効率的に生産していた。中国におけるバイオエタノール政策の背景には、1990年代の過剰穀物対策と、国内石油業界の市場シェアーを巡る競争も、環境対策以外の大きな影響要因となっていることが明らかになった。 福岡県では、築上町の農家がバイオ燃料用多収量米の栽培を行い、西海203号で玄米628キロの反収をあげたが、施肥管理によってさらなる反収の増加が期待できることが明らかになった。他方、福岡県の住民2000人を対象にE3燃料に対する支払意志額を仮想評価法によって推計したところ、平均でガソリン1リットル当たり3円まで値上げして支援してもよいという推計結果が得られた。また、選択実験の推計結果によると、ガソリン税からE3燃料への補助金を支払うのであれば、4.24円まで支払ってもよいことが明らかになった。この傾向が国民全体に当てはまると仮定するならば、ガソリン税から年間2544億円の助成額となるであろう。
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Research Products
(11 results)