2009 Fiscal Year Annual Research Report
中越震災地域の農業・農村環境の経時変化を考慮した計画手法の開発
Project/Area Number |
19380135
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
有田 博之 Niigata University, 自然科学系, 教授 (40313506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三沢 眞一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018791)
黒野 弘靖 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80221951)
吉川 夏樹 新潟大学, 災害復興科学センター, 助教 (90447615)
坂田 寧代 石川県立大学, 生物資源学環境部, 助教 (60373172)
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Keywords | 農村計画 / 中越地震 / 災害復旧 / 経時変化 / 農地・農業 / 農業集落 / 耕作放棄 / 養鯉 |
Research Abstract |
(1)農業等生産基盤・施設の復旧手法の開発 1)農業生産基盤・施設災害の経時的変化特性に対応した復旧手法の開発:(1)地震災害で被害の素因が広範に形成されるため、被害発現は長期化し、中越地域の追加的被害件数は「手づくり田直し等支援事業」の37%に達したことを示し、モニタリングを基礎とした長期的支援体制の必要性を論じた。(2)農業水利施設の経年的被害実態を把握し、災害発生後3年間は通常年を上回り、追加的被害の合計件数は復旧事業実施件数の20%に達することを示した。また、旧栃尾市の山腹水路の被害実態を記録した。(3)山古志地域の不耕作地の経時的変化を全筆調査によって把握し、地震発生後の耕作復旧過程を明らかにし、地震前の75%に止まる実態を明らかにした。災害復旧事業は耕作放棄の抑制に効果があると考えられるが、組織的な復旧手法の必要を指摘し、新たな棚田整備の技術提案を行った。 2)養鯉施設災害の経時的変化特性把握に基づく復旧手法の開発:養鯉池・水田の復旧事業の実施状況を整理し,復旧過程での小規模・転出層の養鯉経営からの離脱進行,条件不利地での未復旧の多発、養鯉経営の二極化を示した。 (2)農村集落再建における景観保全手法の開発 1)農村住宅再建における集落景観変化の要因解明:地震後の屋敷林変化を小千谷市農業集落の落悉皆調査によって把握した。中山間地では倒木等が原因で伐木された例もあったが、多くは相隣関係悪化の回避が目的であった。倒木被害への保険制度等の対策を講じない限り、屋敷林は都市部から急速に後退する可能性のあることを指摘した。 2)農村住宅再建における効率的な住宅供給システムの開発:地震に伴う環境変化の中で、住宅で保持される生活の型、すなわち裏側にヘヤ、前側にチャノマを配置する型を確認できた。一方で、新しいタイプの再建住宅は、耐震性能や雪処理や出入りを優先してつくられたが、住宅の評価は今後の経緯を見て判断する必要がある。
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Research Products
(9 results)