2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380136
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 勉 Kobe University, 農学研究科, 教授 (20144602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 一哉 神戸大学, 農学研究科, 助教 (00362765)
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Keywords | 地盤工学 / 浸透破壊 / 三次元 / 締切り矢板 / 限界水頭差 / 流重急増時水頭差 / 変形開始水頭差 / 破壊時水頭差 |
Research Abstract |
アースダムや堤防などの破壊事故は約40%が浸透流あるいは浸透に起因した現象に端を発している。その中でも土粒子の移動、すなわちパイピングによる破壊は現象が複雑でありいまだそのメカニズムが不明な点が多い。また、矢板背後の地盤においては全体的な浸透破壊が問題となる。そこでは,パイピングによる破壊現象と全体的な破壊現象は複雑に絡み合って発生する。パイピングや全体的な破壊による浸透破壊を防止するためにはその発生機構を明らかにする必要がある。本研究は,流れの条件を考慮して,浸透破壊理論を総合的な観点から確立することを目的とする。本年度は,以下の事柄について明らかにした。 1.三次元地盤の浸透破壊に関する解析的研究三次元FEM浸透流解析プログラムFEMSEE6EC,三次元浸透破壊安定解析プログラムSEEPFL662Cを開発し,予定の実験ケースについて解析し,三次元モデル地盤の浸透破壊に対する理論限界水頭差の推定を行った。 2.三次元地盤の浸透破壊に関する実験的研究モデル地盤について実際に実験を行い,実験による変形開始時水頭差を求めた。そして,理論限界水頭差と実験による変形開始時水頭差がほぼ一致することを明らかにした。 3.三次元地盤を軸対称と仮定することの妥当性の検討三次元地盤の浸透破壊に対する理論限界水頭差と軸対称地盤の理論限界水頭差を比較し,三次元地盤を軸対称と仮定することが可能であることを示唆した。 4.三次元地盤の浸透流逆解析浸透破壊現象は,透水係数の異方性に大きく影響されることが知られている。一般的に,異方透水性の値が大きいほど浸透破壊安定性が低下する。モデル実験では,地盤の異方透水性を正確に把握する必要がある。ここでは,試料採取による透水試験法及びFEM浸透流逆解析法(三次元地盤そのものの逆解析と軸対称近似による透水係数逆解析)を用いて,地盤の異方透水性の値を明らかにした。
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Research Products
(10 results)