2007 Fiscal Year Annual Research Report
肉牛資源の戦略的価値形成のための非破壊牛肉品質評価システムの開発
Project/Area Number |
19380143
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
豊田 淨彦 Kobe University, 農学研究科, 教授 (30144603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山之上 稔 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (30182596)
井原 一高 神戸大学, 農学研究科, 助教 (50396256)
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Keywords | 牛肉 / 脂肪酸組成 / FTIR / 電気インピーダンス / ガスクロマトグラフィー / 体積抵抗率 |
Research Abstract |
牛肉の食味・品質評価法の開発を目的として、(1)電気インピーダンスによる牛肉の脂肪含量・脂肪交雑の測定法の開発および(2)ATR-FTIRによる牛肉の脂肪酸組成の測定法の開発を試みた。 (1)では、枝肉から得たカット牛肉について、胸最長筋、広背筋、僧帽筋各部の電気インピーダンスとその周波数特性を求めた。その結果、解体後の時間経過に伴い、生体時に比べCole-Coleの円弧が顕著でないことを認めた。枝肉およびカット肉断面の画像から各組織の領域を決定し、有限要素分割により枝肉断面の電気特性モデルを構成した。 成牛(月齢34ヶ月)および子牛(同3ヶ月)の前後脚に試作電極を取付け、体幹部の電気インピーダンス測定(10Hz〜1MHz)を行った。写真画像より、体幹部を円柱と見なした場合の断面積と長さを求め、電気インピーダンス測定値より、次の見掛けの体積抵抗率を算出した。その結果、成牛は子牛に比べ、約3倍の体積抵抗率を示し、体積抵抗率による脂肪量の推定の可能性が示された。 体積抵抗率成牛:ρa=144.2Ω・m、子牛:ρ=45.9Ω・m (2)では、ATR-FTIR法により、カット肉の背脂肪、筋間脂肪、筋内脂肪、赤身部分、各部のIR(赤外)スペクトルを、600cm^<-1>〜3000cm^<-1>の範囲で測定し、構成脂肪酸由来と思われるピークを確認した。ガスクロマトグラフィーによる牛肉脂肪の構成脂肪酸測定のために、脂肪組織からの脂肪抽出法を検討した。クロロホルムとメタノール混液あるいはヘキサンを用いる4種類の抽出法を検討した結果、クロロホルムとメタノール混液を使用するFolch法の改良法を採用した。また抽出した脂質のエステル交換反応によるメチル化の条件を、一方でリパーゼによる脂肪酸への分解条件を検討し、牛肉脂肪酸分析のためのガスクロマトグラフィー用試料調製法を確立した。
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Research Products
(2 results)