2009 Fiscal Year Annual Research Report
肉牛資源の戦略的価値形成のための非破壊牛肉品質評価システムの開発
Project/Area Number |
19380143
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
豊田 淨彦 Kobe University, 農学研究科, 教授 (30144603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山之上 稔 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (30182596)
井原 一高 神戸大学, 農学研究科, 助教 (50396256)
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Keywords | 一価不飽和脂肪酸 / オレイン酸 / 赤外分光スペクトル / 脂肪酸組成 / 皮下脂肪 / 筋内脂肪 / 電気インピーダンス / Haydenモデル |
Research Abstract |
黒毛和牛牛肉の品質評価法の開発を目的として、1.ATR-FTIRおよびGCによる牛肉の脂肪酸組成の解析、2.電気インピーダンスによる牛肉の脂肪含量・脂肪交雑の解析、3.牛生体の電気インピーダンス特性の解析ほかを実施した。 牛枝肉左半丸第6-7肋骨間切開面の牛肉試料から、筋内・筋間脂肪、皮下脂肪の各部位の脂肪組織を採取し、ATR-FTIRによる生試料の直接測定および溶媒抽出後脂質試料の測定を行った。更に、GC法により、抽出脂質の脂肪酸組成を求めた。その結果、主要脂肪酸はオレイン酸(含有率45~48%)、パルミチン酸(24~28%)であった。オレイン酸含量は皮下脂肪>筋間脂肪>筋内脂肪の順となり、飽和脂肪酸含量は、その逆の大小関係となった。赤外分光スペクトルと脂肪酸組成の関係付けにPLS回帰分析を適用し、抽出脂肪測定では、一価不飽和脂肪酸含量を決定係数R^2=0.81~0.97で、飽和脂肪酸含量を0.91~0.98でそれぞれ予測可能であり、ATR-FTIR法の品質評価への適応性を明らかにした。同一切開面の牛肉試料について、胸最長筋、広背筋、僧帽筋各面の導電率とその異方性を調べた。解体後2週間以内では、電気インピーダンス複素平面図上で細胞組織に由来するCole-Cole円弧を認めた。胸最長筋について画像解析から求めた脂肪組織の配向性と電気インピーダンスの異方性を比較した結果、脂肪組織の配向に伴い導電率は0.14~0.24(S/m)間で変動し、その変動幅は平均値の±20%となり、脂肪交雑評価への電気インピーダンスの適用性を明らかにした。生牛の頸部-臀部間の体幹部の電気インピーダンスを測定し、Cole-Cole円弧の発現を認め、Haydenの電気的等価回路モデルを適用し、細胞内・外抵抗、膜容量、位相角を決定した。
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Research Products
(3 results)