2010 Fiscal Year Annual Research Report
視体積交差法による植物体のオンライン三次元形状測定
Project/Area Number |
19380146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芋生 憲司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40184832)
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Keywords | アルゴリズム / 計測工学 / 農業工学 / 画像解析 / 情報処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は苗や果実など植物体の三次元形状を迅速に測定するコンパクトな装置を開発することである。農業分野において,苗など対象物の三次元形状を迅速に測定できれば,個体別の葉面積や受光量が把握できメリットが大きい。測定方法としては,一台のカメラと複数の鏡を用い,基本的には視体積交差法のアルゴリズムによって,測定対象物の三次元形状をデータとして再構築する。 21年度までの研究で,回転ステージを用いて測定対象物を回転させるとともに,一枚の鏡の向きを変更できるようにし,適切な鏡の配置を明らかにした。また平面の格子パターンを撮影してキャリブレーションを自動的に行えるようにした。この結果に基づいて,10枚の鏡を配置した撮影装置を製作し,キャリブレーションの自動化とキャベツの苗を測定する実験を行った。さらにR-Hard Pointから苗のモデルを構築する研究を行った。R-Hard Pointは視体積交差法によって得られた3次元形状に含まれる点のうち,測定対象物に必ず属するといえる点のことであり,通常は測定対象物のエッジ上に検出される。 22年度は植物のように複雑な形状の対象物を測定する場合にR-Hard Pointを利用することの有効性を明らかにした。また実作業への応用としていちご収穫ロボットへの適用性を検討した。いちご収穫ロボットの開発研究では花柄を把持して収穫することが主流になってきており,細い花柄の位置と方向を性格に検出することが課題となっている。研究の結果,本手法は1mm以下のサイズの対象物にも適応できる精度を持ち,いちご花柄の検出に有効な手段であることがわかった。今後の課題としてロボットに装着する場合の適切な鏡の配置と可搬性の向上があげられる。
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