2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 敏彦 Hokkaido University, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70343952)
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Keywords | 飼料作物育種 / 遺伝子導入 / 低温耐性 / フルクタン合成酵素遺伝子 / CBF遺伝子 / 組織培養技術 |
Research Abstract |
低温耐性に関連する複数のフルクタン合成酵素遺伝子やCBF遺伝子が、寒地型イネ科牧草から単離・同定されている。そこで、フルクタン合成能力のないシバ(Zoysia japonica)への効率的な遺伝子導入技術の確立を行いながら、これら寒地型イネ科牧草由来の遺伝子のシバへの導入を図る。得られる形質転換植物体の解析から、関連遺伝子の代謝ネットワーク等における機能を明らかにする。また、シバは低温耐性がないため、導入された遺伝子により低温耐性の向上も期待できる。 シバではエンブリオジェニックカルスからの再生が必ずしも容易ではないことから、完熟種子から取り出した胚を7日間前培養し、アグロバクテリウムを7日間共培養させた後、1mg/L BA、1mg/L2,4-Dの植物ホルモンを含む培地で培養することにより、効率的に、数多くの組換えシュートを形成できる遺伝子導入系を確立した。また、エンブリオジェニックカルスについても、パーティクルガン法による遺伝子導入に関する最適条件を明らかにした。ペレニアルライグラスから単離したフルクタン合成酵素遺伝子(prft1,prft2,prft3)を組み込んだベクターを導入して得られた組換え体における遺伝子発現を確認中である。ペレニアルライグラスから単離された2つのCBF遺伝子(LpCBFIb、LpCBFIVa)をシロイヌナズナに導入して、過剰発現させ、その機能の違いを明らかにした。LpCBFIbは成長を阻害したが、LpCBFIVaは開花を遅らせるとともに耐凍性を向上させることを確認することができた。今後、この遺伝子をシバに導入する。
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