2007 Fiscal Year Annual Research Report
牛の生産性を決定する成長ホルモン関連遺伝子多型の研究
Project/Area Number |
19380150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 和雄 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (60091831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盧 尚建 信州大学, 農学部, 准教授 (90322130)
鈴木 啓一 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10344706)
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Keywords | GH / 遺伝子多型 / 黒毛和種牛 / 脂肪酸 / 枝肉成績 |
Research Abstract |
黒毛和種牛のGH遺伝子多型が生産性とどのような関連性にあるのかを検討するために、以下の研究を実施した。 (1)GHおよびGHRの遺伝子多型解析 ホルスタイン種牛、日本短角種牛、黒毛和種牛の血液(白血球)もしくは脂肪組織からゲノムDNAを採取し、GH遺伝子多型を比較した。その結果、ホルスタイン種牛ではAAおよびAB型のみが確認され、それぞれ83%、17%であった。一方、黒毛和種牛では、合計3種類の遺伝子多型が見出され、AA、AB、BB、AC、BC、CC型がそれぞれ46、15、20、5、11、1%であった。日本短角種牛では、AA、AB、BB型のみが確認され、それぞれ52、37、11%であった。この結果は、搾乳を目的としたGH遺伝子にはA型が適していることを示している。一方、黒毛和種牛で脂肪蓄積を目的とした場合には、GH遺伝子のみではない他の遺伝子や要因が関係していることを示唆している。 (2)血液中GH、レプチン、インスリン、IGF-I、代謝産物濃度測定 10ケ月齢時の黒毛和種雄仔牛の血液中GH基礎濃度およびGHRH刺激GH分泌能はAA、AB、BB型の順であり、体重と平行していた。IGF-I濃度は、GH濃度と平行していた。一方、レプチン濃度は体重と反比例していた。この結果は、レプチン濃度は採食量の低さと平行することを示唆している。 (3)GH遺伝子多型と生産性の関連性 ホルスタイン種雌牛では、それぞれの乳期においてAA型の泌乳量がAB型の泌乳量よりも大きくなる傾向が認められた。一方、黒毛和種牛では、ロース芯面積がAA型で大きかった。また、ロースの脂肪酸組成はGHの遺伝子多型に依存して変化することが認められ、特に雌牛で顕著であった。
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Research Products
(3 results)