2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380154
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
宮本 明夫 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 畜産学部, 教授 (10192767)
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Keywords | 黄体 / 退行 / PGF2α / 血管機能 / データベース / ウシ |
Research Abstract |
本研究は、「3次元退行カスケードの解明を基盤として、上位の黄体退行仲介因子の複合的抑制による退行しない黄体を作出する」ことを目指し、黄体退行局所調節メカニズムの概念の進展と受胎率向上への新しい技術開発の展望を得ようとする。 【実験1】「初期黄体vs中期黄体」モデルを用いたPGF_<2α>反応性の差異の検証:Day 4(初期)とDay 10-12(中期)の黄体を持つウシにPGF_<2α>または生食を投与後1hに黄体組織を採取した。【結果】黄体期初期のウシにPGF_<2α>を投与すると黄体機能促進関連因子であるVEGF、FGF2やIGF-IIの遺伝子発現が刺激されたが、黄体期中期では反対に抑制されることを見いだした。また、PGF_<2α>は黄体期初期では退行促進因子の遺伝子発現を抑制したが、黄体期中期では、それらは急激に刺激された。つまり、PGF_<2α>は初期黄体では血管新生を刺激し、中期黄体ではそれらを抑制すると共に黄体退行因子を刺激することが示された。 【実験2】退行中の黄体組織中の免疫細胞および免疫細胞誘導因子の解析:中期黄体を持つウシにPGF_<2α>を投与し、0,5,15,30,120,720分後に黄体組織を採取した。また、牛の血液から顆粒球を単離採取し、細胞遊走アッセイを行った。【結果】好中球遊走を刺激するCXCL1およびCXCL8、好酸球遊走を刺激するCCL5およびマクロファージを誘引するTNFのmRNA発現は、PGF_<2α>投与後15分で増加し高い値を維持した。好中球・好酸球・マクロファージの黄体内細胞数は、PGF_<2α>投与後5分ですでに増加した。顆粒球の細胞遊走アッセイにおいて、CXCL8を遊走ケモカインとして検証したところ、濃度依存的に加え、顆粒球の好酸球ではなく好中球を特異的に遊走した。結論として、黄体退行因子PGF_<2α>は投与5分ですでに黄体組織への免疫細胞動員を刺激することが明らかとなった。
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Research Products
(17 results)