2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380160
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀内 浩幸 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 助教 (80243608)
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Keywords | 応用動物 / 発生・分化 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
平成20年度は,樹立したニワトリES細胞に対して2種の遺伝子改変ベクター(ランダムインテグレーションによりGFP遺伝子を導入するベクターと相同遺伝子組換えによりδクリスタリン遺伝子下流にDsRed遺伝子を導入するベクター)を導入し,薬剤による選抜・クローニングを行いGO世代の遺伝子改変ニワトリの作出研究を行い,以下の成果を得た。 1)GFP遺伝子を導入したES細胞は,薬剤選抜によりin vitroの全ての細胞で緑色蛍光タンパク質を発現し,また多能性維持マーカーであるNanogと生殖細胞分化マーカーであるCvhの発現が維持されていた。 2)GFP発現ES細胞をレシピエント胚へ移植することにより,ES細胞の多分化能を観察したところ,胚のほぼ全身と移動期の始原生殖細胞で緑色蛍光が観察された。 3)GFP発現ES細胞を移植したレシピエント胚はそのまま発生させ,多数の孵化個体(GO)を作出した。 4)3種のES細胞に対してエレクトロポレーション法により相同遺伝子組換えベクターを導入したところ,その内の一種で相同遺伝子組換え細胞が得られた。 5)相同遺伝子組換えES細胞は,限界希釈法により細胞クローニングを行い,最終的にδクリスタリン遺伝子下流にDsRed遺伝子が挿入されたES細胞株の取得に成功した。 6)このES細胞株を移植したレシピエント胚はそのまま発生させたところ,クリスタリンタンパク質が発現する眼球においてDsRed(赤色蛍光)が水晶体線維細胞で特異的に発現することが確認された。 以上の成果は,ニワトリにおいて世界で初めてジーンターゲティングが可能であることを示した知見であり,マウスと同様ノックイン・アウトニワトリの作出を可能とし,基礎研究分野から応用研究分野まで幅広く利用可能な技術となりえる成果である。
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Research Products
(10 results)