2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィラリアーヤブカ媒介系を用いた病原体と媒介節足動物の相互作用に関する研究
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19380165
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
福本 晋也 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 原虫病研究センター, 講師 (50376422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉糠 洋陸 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (50342770)
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Keywords | フィラリア / ヤブカ / イヌ |
Research Abstract |
イヌフィラリア症は予防薬の発達により、もはや驚異では無くなったようにも見受けられる。しかしながら、フィラリアは依然として日本全土に蔓延し続けており、予防薬の投与無しにはイヌの安全を確保することはできず、抜本的な対策の確立が獣医療上、至上命題となっている。そこで、申請者らはフィラリアと媒介節足動物であるヤブカの相互作用を解明することにより、イヌフィラリア症の分子基盤の理解を目指すこととした。 平成20年度における研究によって得られたフィラリア感染によって発現変動を示す遺伝子群から、フィラリアとヤブカ間において相互作用を示す遺伝子を同定するため、RNA干渉法によるスクリーニングを行った。昨年度のクラスター解析による分類によって、大きなグループを形成する遺伝子を候補として順次、網羅的にスクリーニングに供し、RNA干渉法によって特定遺伝子をノックダウンした後に、それらのヤブカにフィラリアを感染させ、経時的に、各組織でのフィラリアの成熟率・フィラリア死亡率・フィラリア到達数を、顕微鏡観察またはリアルタイムPCR法を用いて解析した。これらの解析により、ヤブカとフィラリア間で相互作用を示す遺伝子、特にフィラリアの成長阻害もしくは成長促進効果を示す表現型に着目し同定を行った。本解析で用いたRNA干渉法によるスクリーニング法では、個々の遺伝子の機能を抑制していくため、フィラリアに対する成長阻害の表現型を示す遺伝子は、すなわち本来フィラリアの成長に重要である因子であり、成長促進の表現型を示すものは、フィラリア感染に対して抑制的に働く因子であるということになる。以上の解析によって得られた因子がどのようなメカニズムでフィラリアに対して正、または負の相互作用をしているのかを明らかにするため、現在研究を推進している。
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Research Products
(7 results)