2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380179
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
水谷 哲也 National Institute of Infectious Diseases, 国立感染症研究所・ウイルス第一部, 主任研究官 (70281681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健 山口大学, 農学部, 准教授 (90284273)
池田 正徳 岡山大学, 医学部, 准教授 (30315767)
酒井 宏治 国立感染症研究所, 動物管理室, 研究官 (70515535)
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Keywords | 網羅的検出方法 / RDV法 / ウイルス / 蚊 / コウモリ |
Research Abstract |
本年度は我々が開発したウイルスを網羅的に検出する方法、Rapid Determination System of Viral RNA/DNA Sequences(RDV法)を昨年度に引き続き改良し、新しいウイルスの検出に応用した。以下は本年度の成果である。 1.臓器や感染細胞からウイルス遺伝子だけを検出する方法の試みについては、ほとんどのRNAウイルスゲノムが6kbから30kbの長さであることに着目し、RNAやcDNAを電気泳動後にそのサイズの領域を抽出してからRDV法をおこない、ウイルス遺伝子が検出されるかについて検討した。実際に、猫カリシウイルスでおこなったところウイルス由来のcDNAを効率良く回収できた。 2.RDV法の自動化とシステム化に関して、既知のウイルスをできるだけ取りこぼしなく検出できるプライマーセットを作成し、検体導入時のスクリーニングに用いた。さらに、RDV法のダイレクトシークエンス時に用いるプライマーセットを昨年度の本研究で改良した成果の256通りから64通りにまで縮小して、簡便化を図った。 3.本年度は国内とフィリピンで採取されたコウモリから、新しいヘルペスウイルスを検出することに成功した。これらのヘルペスウイルスについてはgBからDPOL領域(約1000アミノ酸)を検出できている。また、前者のウイルスについてはコウモリの培養細胞でウイルス分離にも成功した。 4.昨年度に報告したタイの蚊から検出した新しいブニヤウイルスについて、タイのメスの蚊を対象にPCRで検出を試みたところ、高率にウイルスを保有していることがわかった。今後は吸血時にヒトや動物に感染するか否かについて検討する予定である。 5.その他に、黄砂からも未知のウイルスの検出を試み、GenBankに登録されている遺伝子に相同性の無い配列を得たが、ウイルス遺伝子の一部であるか否かについては更に検討が必要である。 本年度はRDV法のシステム化に向けた改良をおこない、いくつかの新しいウイルスや遺伝子配列を得ることに成功した。 (連携分担者:東京大学農学部・明石博臣)
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