2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380187
|
Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
對馬 誠也 National Institute for Agro-Environmental Sciences, 生物生態機能研究領域, 領域長 (50354080)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 健一 国立大学法人九州大学, 大学院・農学研究院生物資源開発管理学部門植物保護防疫学講座, 教授 (40150510)
|
Keywords | 植物 / 微生物 / 細菌 |
Research Abstract |
つくば市と福岡市の2地域において、コシヒカリ(つくば市と福岡市)とヒノヒカリ(福岡市)の2品種の健全イネの葉圏における細菌集団構造の基礎的知見を得る目的で、全細菌数及び培養可能細菌の性状解析を行った。また、本年度はムギでの細菌数の比較も行った。さらに、つくば地区においては、1年目に実施した全細菌測定法の勘弁、迅速化のために、測定法の改良を行った。 細菌数調査の結果、イネにおいては、福岡地区、つくば地区の2ヵ年の試験結果から「培養できる細菌」に比べ、全細菌が有意に多いことが明らかとなった。このことから、イネの葉鞘には、「培養できない細菌」が「培養可能な細菌」より明らかに多いことが解明された。また、ムギにおいては、葉鞘の全細菌数は「培養可能細菌」より100倍以上多く、この比率はイネ(約10倍程度)より遙かに高かった。 このことから、同じイネ科植物のイネとムギの葉鞘でも、「培養可能細菌数」と「培養できない細菌数」の比率が顕著に異なることが示唆された。このような結果が事実だとすると、葉圏微生物の生態、生物防除などを研究する際に極めて重要な知見を提出することができる。このため、最終年度は、とくの年度の反復を行う必要があるので、ムギの調査をさらに実施し、最終的にイネ、ムギの「全細菌数」と「培養可能細菌数」の比率を明らかにしたい。 その他、福岡地区においては、イネ、ムギの葉圏細菌(培養可能細菌)について、昨年同様に、16SrDNA解析による種の構造解析やクオラムセンシング物質生産性を調べ、ほぼ昨年同様の結果を得た。 つくば地区においては、「全細菌数のより安定した計測法」を開発することができた。従来に比べ簡単で、迅速であるため、より多くのサンプルを短時間で解析することができるようになった。
|