2007 Fiscal Year Annual Research Report
染色体間相互作用による遺伝子発現制御メカニズムのin vivo解析
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19380190
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷本 啓司 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (90261776)
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Keywords | 転写 / 発現制御 / 酵母人工染色体 / トランスジェニック・マウス / グロビン |
Research Abstract |
遺伝子転写の時期・場所・量の制御は、転写開始点付近の「プロモーター」配列と、より遠くに存在する「エンハンサー」配列との相互作用により制御される。近年、数百kb離れたシス・エンハンサーによるプロモーター活性化の例も報告されている。このため、個々の遺伝子に対して、長距離エンハンサー・プロモーター相互作用に特異性をもたらすメカニズムが必要である。本研究では、酵母人工染色体(YAC)上にクローン化されたヒト・βグロビン遺伝子座を導入したトランスジェニック・マウス(TgM)を用いて、長距離相互作用のメカニズムを明らかにしたいと考えている。 βグロビン遺伝子座は70kb以上の大きさを持ち、5つのβ様グロビン遺伝子が存在する(ε-Gγ-Aγ-δ-β)。遺伝子座の5'末端に存在するLCRエンハンサーは、初期造血期(primitive stage)には近位(LCRから数kb)にあるεやγ遺伝子プロモーターを活性化し、後期造血期(definitive stage)には遠位(数10kb)のβ遺伝子を活性化する。 β遺伝子がprimitive stageに発現しない理由として、1)β遺伝子より近位にε、γという強く発現する遺伝子が存在するためLCR活性をめぐる「競合」に勝てない、2)Primitive stageではβ遺伝子もLCRとの「距離」に感受性になる、の2つの可能性が考えられた。これらを区別するために、LCRとβ遺伝子間の距離を変えずに、競合する3つの遺伝子(ε、Gγ、Aγ)のプロモーター領域を破壊したYAC TgMを作製した。 このマウスのPrimitive stageの赤血球を解析したところ、β遺伝子が発現するようになった。この結果は、1)の仮説、すなわち野性型遺伝子座においてβ遺伝子が発現しない理由が、他の遺伝子との「競合」にあることを強く支持した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Intergenic transcription, cell-cycle and the developmentally regulated epigenetic profile of the human beta-globin locus2007
Author(s)
Miles, J., Mitchell, JA., Chakalova, L., Goyenechea, B., Osborne, CS., O'Neill, L., Tanimoto, K., Engel, JD., Fraser, P.
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Journal Article] Linear distance from the locus control region determines epsilon-globin transcriptional activity2007
Author(s)
Shimotsuma, M., Matsuzaki, H., Tanabe, O., Campbell, AD., Engel, JD., Fukamizu, A., Tanimoto, K.
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Journal Title
Mol Cell Biol. 27
Pages: 5664-5672
Peer Reviewed
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[Journal Article] Embryonic and fetal beta-globin gene repression by the orphan nuclear receptors, TR2 and TR42007
Author(s)
Tanabe, O., McPhee, D., Kobayashi, S., Shen, Y., Brandt, W., Jiang, X., Campbell, AD., Chen, YT., Chang, C., Yamamoto, M., Tanimoto, K., Eneel. JD.
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Journal Title
EMBO J. 26
Pages: 2295-2306
Peer Reviewed
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