2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末宗 洋 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 教授 (20095897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 真理子 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (30201891)
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Keywords | ペプチド / ヘリックス / α,α-ジ置換環状αアミノ酸 / ペプチド2次構造 / 不斉エポキシ化反応 / 不斉分子触媒 / スピンラベル化核酸 |
Research Abstract |
ペプチドおよび核酸をツールとした新たなナノ・ヘリックス機能性分子の創製とその構造特性の精査ならびに機能探索・機能開発を目的とし、1.新規光学活性α,α-ジ置換環状αアミノ酸合成と、そのホモおよびヘテロペプチドの創製2.ナノヘリックスによる不斉反応の開発展開3.インターナルダイナミックスをモニターするプローブの開発の3項目について重点的に研究を実施した。以下、各項目の実績を記す。 (1) 新規な複数のアジド基を有する光学活性環状ジ置換アミノ酸の合成に成功するとともに、テトラペプチドの創製およびその2次構造について明らかにした。さらにモノマーでの検討結果であるが、アジド基からトリアゾール基およびアミノ基への変換に成功した。本知見は多様な環状ペプチド合成の新手法をもたらすものである。 (2) 環状ジ置換アミノ酸(1S,3S)-Ac5c^<OM>と(1S,3R)-Ac5c^<OM>を含有する独自のαヘリックス性短鎖ヘテロペプチドにさらに構造的改良を加えた。その結果、カルコンの不斉エポキシ化反応において96%ee以上のエナンチオ選択性でエポキシ体が得られることを明らかにした。また、基質の多様性に関わる本反応の一般性についても精査し、一般性を有することを確認できた。今後、分子認識機構解明のため、他の不斉反応への応用研究が期待される。 (3) インターナルダイナミックスをモニターするプローブの開発において、ODNの長さ、配列がESRスペクトルに与える影響を精査した。その結果、スピンラベル化核酸による1塩基識別が可能であることを示唆する結果が確認された。興味深いことに、スピン源の両隣がプリン塩基の場合とピリミジン塩基の場合でかなりの差異が認められた。本知見はスピンラベル化核酸の新たな機能を期待させるものであり、今後の研究成果が期待される。
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Research Products
(21 results)