2007 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸基結合タグ分子を利用したリン酸化プロテオーム解析技術の開発
Project/Area Number |
19390011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小池 透 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90186586)
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Keywords | プロテオミクス / リン酸化タンパク質 / キナーゼ / ナノバイオ / フォスファターゼ / ケミカルバイオロジー / シグナル伝達 |
Research Abstract |
フォスタグ技術を世界標準のリン酸化プロテオーム解析技術にすることを目的として,1)フォスタググのリン酸基結合能と生体分子(酵素や抗体)の特異的機能を組み合わせた分析法,2)フォスタグ技術を組み込んだハイスループットなリン酸化生体分子の検出法(ペプチドアレイやキャピラリーゲル電気泳動法),3)リン酸化タンパク質のプロファイリングを目的とした新しい二次元電気泳動法,4)質量分析前処理用の耐圧性リン酸アフィニティー担体,5)フォスタグとリン酸基の結合により誘導される蛍光共鳴エネルギー移動を利用したリン酸化反応の分析法の開発を3年度計画で行います。本年度は,フォスタグ分子を生体高分子や人工高分子ビーズをアミド結合により結合させた新しい高分子を合成しました。それらの中でも人工高分子担体であるトヨパールに結合したフォスタグ誘導体は,液体クロマトグラフィー用の有機ポリマービーズとして優れた性質を持っていることを明らかにしました。また,ポリアクリルアミド電気泳動ゲル用に開発したアクリルアミド基を有するフォスタグは,電気泳動用ゲルの共重合単体として使用可能であり,新しい二次元電気泳動法へ応用できることを見いだしました。それら新しい二次元電気泳動は,汎用されているUrea PAGEや等電点電気泳動とフォスタグ電気泳動の組み合わせにより,リン酸化タンパク質の詳細な解析を可能にしました。さらに,フォスタグ電気泳動法は,リン酸化タンパク質の分離分析以外にも,遺伝子変異の検出(核酸分子の分離分析)にも適用可能であることを発見しました。このような新しい知見を踏まえ,来年度は特に光化学分析法へのフォスタグ技術の利用について検討を進めたいと思います。
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