2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国伝承薬および薬草からの創薬シードのスクリーニング法の開発とその応用
Project/Area Number |
19390013
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
萩中 淳 Mukogawa Women's University, 薬学部, 教授 (20164759)
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Keywords | 分子インプリント / 中国伝承薬 / 創薬シード / ハイスループットスクリーニング |
Research Abstract |
昨年度は、苦参中に含まれる活性物質であるマトリンおよびオキシマトリンに注目して、マトリンおよびオキシマトリン対するMIPを沈殿重合法により調製した。その結果、マトリンに対するMIPはマトリンおよびその類縁体を、オキシマトリンに対するMIPはオキシマトリンおよびその類縁体を苦参中より選択的に抽出できた。これらの類縁体の構造について検討した結果、マトリンに対するMIPはマトリンおよびマトリンの13位に二重結合をもつソフォカルピン、オキシマトリンに対するMIPはオキシマトリンおよびオキシマトリンの13位に二重結合をもつソフォカルピンN-オキシドを選択的に抽出できることが分かった。 さらに、ウコンの主要成分であるクルクミンに対するMIPを沈殿重合法により調製した。機能性モノマーにメタクリルアミドおよび4-ビニルピリジン、架橋剤にジビニルベンゼン、重合開始剤にAIBNを用い、これらをアセトニトリル/トルエン溶液に溶解した。次に、この溶液をゆっくりと撹拌し、60℃で16時間重合を行った。その結果、粒子径の均一なMIPが得られた。メタクリルアミドをコモノマーとして加えることにより、機能性モノマーとして4-ビニルピリジンを用いた粒子径の均一なMIPの調製が可能であることを、はじめて明らかにした。また、得られたMIPをウコン中のクルクミンおよびその関連物質の選択的抽出分析に適用したところ、クルクミンおよびその脱メトキシ体の抽出が可能であった。さらに、クルクミンの脱メトキシ体以外の成分も抽出されており、現在、その構造について検討中である。 今後、抽出された上記化合物の創薬シードとしての可能性を検討する予定である。
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