2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国伝承薬および薬草からの創薬シードのスクリーニング法の開発とその応用
Project/Area Number |
19390013
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
萩中 淳 Mukogawa Women's University, 薬学部, 教授 (20164759)
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Keywords | 分子インプリントポリマー / 中国伝承薬 / 創薬シード / ハイスループットスクリーニング |
Research Abstract |
昨年度、ウコンの主要成分であるクルクミンに対する粒子径均一な分子インプリントポリマー(MIP)を機能性モノマーにメタクリルアミドおよび4-ビニルピリジンを用いることにより、調製可能であることを明らかにした。重合条件を詳細に検討した結果、メタクリルアミドをコモノマーとして加えることにより粒子径の均一化が可能であり、4-ビニルピリジンの仕込み量を増加させることによりクルクミンの分子認識能が高くなることが分かった。次に、得られたMIPをウコン中のクルクミンおよびその関連物質の選択的抽出分析に適用したところ、クルクミンおよびその脱メトキシ体の抽出が可能であった。さらに、クルクミンおよびその脱メトキシ体以外の成分もクロマトグラム上に認められたが、これらはクルクミンおよびその脱メトキシ体のケト体であると推定された。 一方、中国伝承薬あるいは生薬成分の抽出の簡略化を目的として、磁性粒子を種粒子として用いて多段階膨潤重合法によるMIP(磁性MIP、M-MIP)の調製を試みた。モデル化合物として、2-アリルプロピオン酸系抗炎症薬である(S)-ナプロキセンを鋳型分子に、機能性モノマーに4-ビニルピリジンを用いてM-MIPを調製した。得られたM-MIPの(S)-ナプロキセンに対する光学認識能は、種粒子にポリスチレン粒子を用いて重合したMIPとほぼ同等であった.これらの結果から、多段階膨潤重合法を用いて、分子認識能を有するM-MIPの調製が可能であることが明らかとなった。現在、クルクミンに対するM-MIPの調製を行うとともに、ウコン中のクルクミンおよびその脱メトキシ体の抽出への適用を検討中である。
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