2007 Fiscal Year Annual Research Report
薬物トランスポーターの細胞内局在を制御する因子群の網羅的解析
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19390017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
紺谷 圏二 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (30302615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
福山 征光 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (20422389)
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Keywords | 薬物トランスポーター / 細胞極性 / 線虫 / メンブラントラフィック / RNAi / スクリーニング |
Research Abstract |
概略)本年度の研究成果としては、まず重要な薬物トランスポーターの一つであるPGP-1とGFPの融合蛋白質を発現するトランスジェニック線虫を作成し、PGP-1のアピカル膜への局在を、生きた個体のまま蛍光実体顕微鏡レベルで観察できる実験系を確立した。次にこのトランスジェニック線虫を出発材料として、突然変異誘発剤(EMS)およびFeeding RNAiライブラリーを用いて、PGP-1のアピカル膜への局在化に異常が観察される変異体を単離した。 1)EMSによるスクリーニング 線虫は雌雄同体であり、EMSで処理したトランスジェニック動物から自家受精で生まれた子供世代(F1)は、ある突然変異mのヘテロ接合体(+/m)になっている。そこでのF1を小シャーレに単離し、F1から生まれた子供世代(F2)のうち、4分の1の確率で生まれるホモ接合体(m/m)でPGP-1のアピカル膜への局在化に異常が生じているものを選別した。EMSによるスクリーニングサイズは、単離するF1の数として6000クローンであり、PGP-1の局在に異常が見られる10個以上の変異体の単離に成功した。 2)RNAiによるスクリーニング Feeding RNAiライブラリーに関してはGeneservice社及びOpen Biosystems社から購入した。まず各クローンを液体培養後、Feeding RNAi用の12-wellプレートに培養した。それらを餌としてトランスジェニック動物を生育させることにより、その個体にRNAiを作用させてPGP-1-GFPの局在を観察した。Feeding RNAiライブラリーは線虫の全遺伝子(約2万個)の90%以上をカバーするものであるが、全体の約30%のクローンをスクリーニングした。その結果、細胞内輸送に重要なモーター蛋白質などを含む、多数の陽性クローンの単離に成功した。
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