2007 Fiscal Year Annual Research Report
FGFシグナルの組織形成における役割とその分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
19390021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 信行 Kyoto University, 薬学研究科, 教授 (10110610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 歩 京都大学, 薬学研究科, 講師 (40346044)
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助教 (00322165)
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Keywords | FGF / 器官形成 / 心臓 / ゼブラフィッシュ / マウス / 造血 |
Research Abstract |
本年度では、まずゼブラフィッシュの系を用い、造血に必須な役割を果すfgf21の受容体の同定を行った。ゼブラフィッシュにおいて、fgfの受容体遺伝子は4種類存在する。4種類のfgf受容体について、それぞれの機能抑制胚を作製し、血流を検討したところ、fgf受容体2の機能抑制胚において、fgf21機能抑制胚と表現型質が一致した。また、fgf21受容体2遺伝子の発現をin situ hybridizationにより検討したところ、fgf21の発現が認められたゼブラフィッシュの脊索に隣接するように、造血部位においてfgf受容体2の発現が検出できた。従って、脊索に発現したfgf21は、傍分泌因子として、造血部位に発現するfgf受容体2に結合し、血球分化を制御することが明らかとなった。一方、当研究室で作製されたFgf16遺伝子ノックアウトマウスについて、心臓の縮小が認められた。その原因は心筋細胞の減少が原因であった。心筋細胞は胎生期において増殖し、生後はほぼ増殖しないことが知られている。そこでFgf16遺伝子欠損マウス胎児における細胞増殖をBrdU取り込みを指標に計測した。その結果、Fgf16遺伝子欠損マウス胎児では、胎生14.5日胚において細胞増殖の著しい減少が認められた。一方、16.5日胚、18.5日胚では細胞増殖がやや減少していた。一方、Fgfシグナリングは多くの組織形成過程において、細胞の生存意地にも関与する。しかし、Fgf16遺伝子欠損マウスの心臓においては、細胞死はほとんど検出されなかった。従って、Fgf16は胎生期における心筋細胞の増殖に重要であることが示された。
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Research Products
(3 results)