2008 Fiscal Year Annual Research Report
NSAIDsによるストレス蛋白質誘導と、NSAIDsの多彩な薬理作用における役割
Project/Area Number |
19390023
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
水島 徹 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (00264060)
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Keywords | NSAIDs / ストレス蛋白質 / レポータープラスミド |
Research Abstract |
既存のNSAIDs(約100種)、自ら合成したNSAIDs(約200種)、製薬企業・他大学ら供与されたNSAIDs(700種)からなるNSAIDsライブラリー(合計1000種以上)を構築している。そこでこれらのNSAIDsの各ストレス蛋白質誘導能を調べ、各ストレス蛋白質をより強く誘導するものを選択した。その際、誘導に必要な絶対的な濃度だけでなく、細胞毒性に比べより低い濃度でそのストレス蛋白質を誘導するという観点からも化合物の選択を行った。具体的には、それぞれのストレス遺伝子のプロモーターの下流にルシフェラーゼの遺伝子を挿入したレポータープラスミドを用いたレポーターアッセイで一次スクリーニングを、各ストレス蛋白質の誘導をイムノブロット法で調べる方法で二次スクリーニングを行った。 次に選択したNSAIDsの薬理作用を動物実験で検討した。その際、これまでの研究で明らかになった各ストレス蛋白質誘導演関与する薬理作用を中心に解析する。例えば上述のこれまでに得られている結果から、HSP、小胞体シャペロン、HO-1を強く誘導するNSAIDsは胃潰瘍副作用が弱いこと、逆にこれらを余り誘導しないNSAIDsは抗癌作用が強いこと、小胞体シャペロンを強く誘導するNSAIDsは抗アルツハイマー作用が強いこと、HO-1を強く誘導するNSAIDsは抗炎症作用が強いことなどを予想しているので、それらの作用を中心に解析した。 以上の解析から、医薬品開発へ直結するNSAIDs(胃潰瘍副作用の少ないNSAIDs、抗炎症作用・抗癌作用・抗アルツハイマー作用の強いNSAIDs)の候補が見いだされた。
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