2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム創薬をめざしたMAPキナーゼシグナルの制御機構の解明
Project/Area Number |
19390024
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
杉浦 麗子 Kinki University, 薬学部, 教授 (90294206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 綾子 近畿大学, 薬学部, 助教 (00388498)
掛樋 一晃 近畿大学, 薬学部, 教授 (30101405)
村岡 修 近畿大学, 薬学部, 教授 (20142599)
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Keywords | MAPキナーゼ / 分裂酵母モデル生物 / ゲノム創薬 / 抗がん薬 / 転写因子 / ストレス / 細胞内シグナル伝達 / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
MAPキナーゼ経路は高度に保存されたシグナル伝達経路であり、MAPキナーゼの制御メカニズムを知ることは、細胞増殖の仕組みを明らかにするだけでなく、発現の制御という観点からも極めて重要な課題である。 我々は、分子遺伝学的手法を用いてモデル生物である分裂酵母のMAPキナーゼシグナル伝達経路の制御因子ならびに標的分子の同定と機能解析を行った。その結果、タイプ2CホスファターゼであるPtc1,Ptc3がPmk1 MAPKシグナルの抑制に関わること、さらにPmk1シグナルが転写因子Atf1を介してPtcl,Ptc3の遺伝子発現を制御していることを見出した。つまり、PP2Cファミリーは転写因子Atf1を介してPmk1シグナルのネガテイブフィードバック制御に関与することを発見した。 さらに、高等生物のATF2のホモログであるAtf1がERKホモログであるPmk1によってリン酸化を受けることにより、cell integrityシグナルを制御するということを発見した。すなわち、Atf1がPmk1 MAPKの標的分子であることを明らかにした。Atf1は従来ストレス応答MAPキナーゼであるSty1によってリン酸化され、制御されることから、今回の我々の報告は、ストレス依存的な転写因子のクロストーク制御の存在を示唆するものである。 さらに、MAPキナーゼシグナル伝達阻害薬のスクリーニング法を確立し、著書として発表するとともに、ACA化合物類縁体ライブラリーを作成し、MAPキナーゼシグナル阻害活性のアッセイを行った結果、複数の化合物が強力にMAPキナーゼシグナル伝達阻害活性を示すことを発見した(特許申請)。
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Research Products
(46 results)