Research Abstract |
これまでの,合成レチノイドAm80の白血病治療薬としての上市の成功等の成果を受け,機能する標的分子の動的な状態を標的とする創薬手法(ドラマタイプ手法)ならびに,共通の基盤骨格をスキャフォールドとする多様な活性拡張手法(マルチテンプレート手法)を提案した。両手法を駆使し,核内受容体リガンドならびにサリドマイド関連活性に着目した構造展開研究を遂行した。その結果, 1)内在性アポトーシス阻害蛋白の自己ユビキチン化の誘導による分解促進活性(寿命制御)に基づく,新規アポトーシス増強剤の創製に成功し,「機能蛋白の細胞内寿命制御剤」の概念を新たに提案した。 2)3,3-ジフェニルペンタン型の,ハイドロキシフルタミドに勝る活性を有する抗アンドロゲン.活性型ビタミンD_3に勝る活性を有するビタミンDアゴニスト.ならびに前立腺癌の増悪因子たる5α-リダクターゼの阻害剤,等の創製に成功し,3,3-ジフェニルペンタン骨格のステロイド代替骨格としての有用性を,核内受容体のリガンド創製のみならず,酵素阻害剤の創製においても示すことができた。 3)サリドマイドを基盤とした新規の強力なキナゾリン型抗プロゲステロンの創製に成功した。 4)新規ベンズヒドロール型の白血病細胞増殖阻害剤.アポトーシス誘導剤の創製に成功し,その定量的構造活性相関解析に成功した。 5)代謝性核内受容体LXRがグルコースをリガンドとするとの報告から,LXRリガンドとα-グルコシダーゼ阻害剤との構造的関連性を解析し,新規デュアル活性化合物ならびに当該両活性の分離に成功し,多様なLXRアンタゴニストの創製に成功した。 6)代謝性核内受容体であるPPARやFXRの新規リガンドの創製に成功した。 等の成果をあげた。
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