2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390029
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 哲男 Nagoya Institute of Technology, 工学(系)研究科(研究院), 助教授 (40293302)
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Keywords | 合成化学 / 薬学 / 有機化学 / 生理活性 / フッ素 |
Research Abstract |
含フッ素化合物は創薬化学において重要な役割を示す。そこで,研究計画に従い,医薬品候補となりうる含フッ素化合物の合成方法を検討した。まず,オリジナル試薬FBSMを用いたモノフルオロメチル化反応において基質にシンコナアルカロイド由来の相間移動触媒を用いることで高収率,高エナンチオ選択性でMichael付加体を得た。また,続く脱スルホニル化においてエナンチオ選択性を保持した状態でモノフルオロメチル化体を得ることに成功した。次にトリフルオロメチルトリメチルシランを用いたトリフルオロメチル化反応においては,シンコナアルカロイドとTMAFのコンビネーションを用いることでケトンに対して高エナンチオ選択性でトリフルオロメチル化体を得ることを見出した。さらに,フタロシアニンの研究においてはフタロシアニンに多数のフルオロエトキシ基を組み込むことでフッ素の撥水撥油効果により平面状フタロシアニンのπ相互作用が完全に抑制され他の分子を寄せ付けず凝集しないことを見出した。次にトリフルオロピルビン酸エチルを用いた研究においては,様々なエナミンとトリフルオロピルビン酸エチルをシンコナアルカロイドとルイス酸のコンプレックスを反応させたところアルドール反応に続き環化反応が進行し,α-ヒドロキシ-α-トリフルオロメチル-γ-ラクトン誘導体を高エナンチオ選択的に与えることを見出した。また,不斉フッ素化反応においてはフッ素化剤にNFSI,触媒量のシンコナアルカロイドを用いることでシリルエノールエーテル,アリルシラン,オキシインドール類に対して触媒的不斉フッ素化反応が進行することを見出した。最後に,求電子的トリフルオロメチル化反応においては炭素求核種として効果的なアミノスルホキソニウム塩タイプの新型試薬を開発し,β-ケトエステルとの反応を検討した。反応は速やかに進行し,高収率でα-トリフルオロメチル化体を得ることに成功した。
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Research Products
(40 results)