2007 Fiscal Year Annual Research Report
活性化ミクログリアの神経保護作用誘導を活用するアルツハイマー病新治療薬の開発
Project/Area Number |
19390031
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 誠 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50207792)
国安 明彦 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (90241348)
川原 浩一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (10347015)
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Keywords | ミクログリア / サブタイプ / アルツハイマー病 / 抗炎症性サイトカイン / 酸化ストレス / 特異的抗体 / 脳虚血 / 神経細胞 |
Research Abstract |
1.In vitroで見い出した抗炎症性サイトカイン(IL-4、IL-13)で活性化された2型MGのAβ(オリゴマー状)クリアランス能誘導とその効果をin vivoで評価するために、アルツハイマー病モデルマウスの一つAPP23マウスを用い、Aβ蓄積量が異なる月齢(4.5、6、9ケ月齢)でAβクリアランス能とその記憶学習能力改善効果を比較した。その結果、Aβ繊維化が進行していない4.5月齢では有意に、また6月齢でも効果を認めた。しかし、繊維化が進んだ9月齢では効果がみられなかった。注入側でAβ蓄積量が減少したAPP23マウスの多くでは、行動に改善が見られた。IL-4/IL-13で誘導されるミクログリアでのAβクリアランスは、AD新規治療法の一つとなる可能性が示された。 2.上記の知見をAD治療法にまで展開するには、上記クリアランス能を誘導できる薬物候補がほしい。この観点からいくつかの薬物を検討したところ、ある種のレチノイド類がCD36や分解酵素neprilysinの発現量を上昇する結果を得た。これらの分子の発現には転写因子PPARγを介していることがわかっているが、レチノイドの効果は、このPPARγとヘテロ二量体を形成するRXRを活性化したことによるものと考察される。この考察を敷衍すると、naiveT細胞からIL-4分泌型のTh2細胞への分化促進能が判明しているRARアゴニストと併用すれば、上記クリアランス能を大きく向上させることが期待できる。
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Research Products
(10 results)