2007 Fiscal Year Annual Research Report
薬物胎盤移行と作用のPK・PD評価に基づく胎児毒性予測システムの構築
Project/Area Number |
19390040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 康文 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 教授 (80114502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 壽一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (70262029)
堀 里子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (70313145)
藤井 知行 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40209010)
月森 清巳 九州大学, 大学病院, 講師 (90253450)
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Keywords | 薬物胎児移行 / 胎児毒性 / 胎盤 / 薬物輸送担体 |
Research Abstract |
医薬品の有害反応の中でも、胎児に対する毒性は、しばしば重大な結果を招く。しかし、特に、妊娠中期以降の妊婦に対する薬物投与のリスクを定量的に評価するための方法論は、いまだに構築されていない。本研究では、ヒト正常満期胎盤を用いた濯流実験系と経胎盤薬物動態モデル解析を利用し、NSAIDsの経胎盤輸送特性を定量的に予測した。Diclofenacをantipyrineとともに灌流液に添加しsingle passで母体側、または胎児側を灌流し、灌流液中及び胎盤中薬物濃度の経時変化に、経胎盤薬物動態モデルをあてはめ、胎盤透過の動態パラメータを算出した。母体側灌流液に薬物添加時、diclofenacは比較的速やかに胎児側灌流液中に検出された。単位時間当たりの胎盤透過量比を表すTPT_<ss>値は、antipyrineおよびdiclofenacにおいてそれぞれ6.94%、2.22%であった。Diclofenacの経胎盤動態は、構築したモデルにより良好に表現できた。母体側及び胎児側潅流液から胎盤組織へのinflux clearance K_1及びK_4は、それぞれ0.276,0.0345mL/min/g cotyledonであり、胎盤組織から母体側及び胎児側灌流液への排出速度定数k_2及びk_3は、それぞれ0.406,0.0337min^<-1>であった。蛋白結合率により補正した母体血から胎盤へのinflux plasma clearance (K"_1)をもとに、diclofenacの胎盤組織-母体血漿中濃度比K"_1/k_2を求めたところ、0.108mL/g cotyledonであり、antipyrineの約1/9であった。
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Research Products
(1 results)