2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390045
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
甲斐 広文 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (30194658)
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Keywords | 嚢胞性線維症(CF) / 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP) / CFTR / calnexin(CNX) / transthyretin(TTR) / 小胞体関連分解(ERAD) / BiP |
Research Abstract |
本研究は,嚢胞性線維症(CF)および家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)に関するこれまでの細胞生物学的なアプローチによる基礎研究をさらに進展させるとともに,医薬品の開発へとつながる創薬ターゲット分子の発見を目指すことを目的とする.本年度は,CFの原因タンパク質であるCFTRの細胞内挙動に対するcalnexin(CNX)の影響をCNXノックアウト(KO)マウスおよびCNX KO細胞を用いて検討した.その結果,CNXは野生型CFTRのプロテアソームによる分解を抑制し,productive foldingを促進することが明らかになった.しかしながら,CNXはCFを発症する△F508CFTRのタンパク質生合成,小胞体局在化,細胞内局在およびC1-チャネル活性のいずれにも影響を与えないことが明らかになった.したがって,CNXはDF508CFTRの膜上発現を改善するCF治療薬の標的にはならないことが示唆された.また,FAPに関して,アミロイド原性を有するTTR変異体が小胞体においてモノマーである場合は小胞体関連分解(ERAD)に対する感受性が高いメカニズムを解明することを目的とし,transthyretin(TTR)変異体の小胞体局在化機構およびERAD機構に関する検討を行った.その結果,小胞体局在化を受けるTTR変異体特異的に小胞体分子シャペロンであるBipが結合し,TTR変異体の小胞体局在化に一部関与すること,TTR変異体の小胞体関連分解を負に制御することを明らかにした.また,FAP患者の多くが野生型と変異体のヘテロ接合体で発症することを考慮し,臨床病態を反映した独自のFAPモデル細胞(野生型TTR-FlagおよびV30M TTRを共発現する細胞)を作製し,薬物評価系を確立した.
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Research Products
(7 results)