2007 Fiscal Year Annual Research Report
2光子顕微鏡法による光機能性分子の光活性化を用いたカルシム依存性細胞機能の解析
Project/Area Number |
19390056
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
根本 知己 National Institute for Physiological Sciences, 脳機能計測センター, 准教授 (50291084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 茂紀 基礎生物学研究所, 時空間制御研究室, 准教授 (90435529)
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Keywords | 生理学 / 2光子顕微鏡 / 高性能レーザー / 生物物理学 / 細胞生理学 |
Research Abstract |
非線型光学過程の一種である多光子励起過程を用いた光学顕微鏡(2光子顕微鏡)は、近赤外域のフェムト秒レーザーを励起光源として用い、他の顕微鏡法では観察不可能な、インタクトな組織深部の分子細胞機構の観察を可能とする。本年度の研究は、未知のCa^<2+>シグナルの機能の発見を目標として、それを可視化解析する新たな2光子顕微鏡による新規的な分子細胞機能アッセイの確立を行った。一方、2光子顕微鏡は細胞内部のサブミクロンの生理的構造を光機能性分子であるケージド試薬で刺激できる新しい細胞機能の解析法である。そこで2光子励起機能マッピング法を、パッチクランプしてケージドカルシウム試薬を注入した外分泌腺細胞もしくは腺房標本に適用し、生きた組織的標本でインタクトな細胞極性を保持したまま、細胞膜上のCa^<2+>依存性チャネルの活性状態、集積状態をマッピングすることを目指した。特に、顕微鏡用の超短光パルス幅を計測するオートコリレーター式、及び対物後のパルス幅を最適化するための群速度補正装置一式を購入し、光機能性分子の光活性化と断層イメージングを同時に実施することが可能なシステムの製作の為に必要な要件を検討した。また、代表的な分泌細胞である膵β細胞の開口放出におけるシグナル分子について検討を行った。また、研究分担者と実施した胚分化・左右軸決定に関する研究においては、初期胚ノードのCa^<2+>振動は、細胞外からのCa^<2+>流入である可能性が高い。そこで2光子顕微鏡によってノードを構成する細胞内Ca^<2+>振動を可視化する系の確立をおこなった。また、免疫系におけるCa^<2+>依存性の細胞運動について検討を加えるために、生きたマウス免疫組織における細胞運動のin vivoイメージングの手法の確立に成功した。これにより、組織内部の細胞運度の4D計測が安定的に長時間取得可能となった。
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